意外にも普通のジャズを演奏する 武田和命&山下洋輔

先日石原康行さんからいただいたジェントル・ノヴェンバー ~ 武田和命を聞く。


武田和命さんを聞いたこともなく、メンバーは山下洋輔、国仲勝男、森山威男で1978年の録音だから
当然、ゴリゴリのフリージャズだと思っていた。
しかしスタンダード系のジャズばかりで、少々驚き。
スタンダードのジャズでも良いのだが、余り出来の良い演奏ではないようだ。
1978年の埼玉県坂戸文化会館でもライブ盤のようだ。
この演奏のコンサートに私が出くわしたら、途中で退席するな。
大きな音で、現場で聞くと良い演奏なのか?
音楽は録音された媒体からでは、良さが判らないこともある。


1978年の数年前までは、山下洋輔は、中村誠一坂田明と続く、ゴリゴリのフリージャズだったのに。
この頃から、山下洋輔はスタンダード系に移ったのかな?


1970年代前半には、山下洋輔トリオを良く聞きに行った。
満員で熱気ぷんぷんだったPitInnで、
コブシやヒジでピアノを叩きつける演奏で、聴衆は燃えていた。
PitInnも大昔の場所で、店も改造前だ。


数年前のPitInn40周年コンサートで久々に聞いた山下洋輔の演奏にも驚きだった。
あの演奏をフリー系の日に当てる主催者の感性にも疑問を感じた。
オーネット・コールマンのコンサートに山下洋輔を競演させる主催者にも驚いたが。


このCDが示すように、山下洋輔の変身は1970年代後半からの様子だ。
武田和命さんもフリー系の演奏者だったと思うから、このCDだけが独特なのか?