個人事業主の青色申告・確定申告は簡単だった

会社として自分一人で仕事をしていたが、
去年春からは会社組織を廃業し、個人事業主に変更した。
今年は初めて税理士に頼らず、
自分で個人事業主として青色申告・確定申告を処理した。


簡単だったが、年に一回しか処理しないので、
自分の覚書のためにも、他の人への参考のためにも、メモを作成。


通帳、現金の財布を個人使用とはっきり分けて管理し、
出費、請求、入金などをしっかり記録し、
全ての領収書を保存しておくと
以下の手順で、青色申告・確定申告も問題なく対処できると思います。


自分の職種・仕事


企業のシステム導入、開発プロジェクトなどをサポート。
プロジェクト管理、要件定義、移行計画など仕事内容は様々。
システム・エンジニアとかシステム・コンサルタントと言う職種。


期間は数か月から1年を超えることもある。
企業は直接個人とは取引をしないので、
中間に契約・営業を請負う会社が入る。


客先から仕事の依頼があって、中間の会社に契約処理を依頼することも、
また、この仲介会社から仕事が回ってくることもある。


建前は、仲介会社経由での契約になるので、
契約、請求・支払などは全てこの会社経由になる。


支払い時に仲介会社が源泉徴収をする場合もしない場合もある。
源泉徴収されると、確定申告で、ほぼ税金の還付になります。


経費は殆どかからない職業なので、
パソコン関連、仕事用の書籍、文房具などは
確実に領収書などでおさえる必要がある。

青色申告のスケジュール


確定申告:毎年2月15日から3月15日
3月になっての申告書提出は可也混むとのことです。


税務署からの申告用紙が届くのは、1月20日頃で、
同時期に経理ソフトの申告書に対応した更新もされるので、
申請処理は1月20日以降になる。
”やよいの青色申告”では”所得税確定申告モジュール”というのが、
1月21日にダウンロード可能になった。


しかし、この前に、領収書の整理、帳簿の見直し、必要書類を準備をし、
1月20日以降に経理ソフトで申告書を作成し、
2月初めからの確定申告相談会で提出するのが良いようだ。


つまり下記の流れになる。
・1月初旬〜中旬:領収書整理、帳簿確認、必要書類準備
・1月下旬   :申告書作成、提出準備
・2月初旬   :確定申告相談会・提出

税務署から確定申告書の到着


1月20日前後に青色申告用紙が届きます。
無料相談会の日程なども書かれているので、
日程を確認することと、内容を読む必要があります。


使用経理ソフト


◎ やよいの青色申告 15<新消費税対応版><新消費税対応版>
以前から弥生会計を使っていたのと、税理士の推薦で、このソフトを導入。
1万円程度なので適当な値段の感じもある。
今回の申告で、自分で必要な機能が揃っていることも確認できた。


最近は、ネットだけで完結するサービスもあるようだ。

領収書の整理


溜めておいた領収書を整理。
始めに、月別に分けて、その後に日付で順番に並べる。
日付や発行店舗、会社名などが判り難い領収書は、鉛筆などで丸印を付けておく。
後で探す時に見易くなる。


会計ソフトで、全ての取引を印刷し、
領収書の有無を確認。
ない場合は、領収書を探すか、
ネット注文の場合は、領収書になるものを印刷。


ついでに、不要A4用紙の裏紙に
領収書を日付順に貼っていく。
始めのA4用紙には一番上に、2014年度領収書などとタイトルを書き、
右上に①など、ページ番号を書く。
適当に貼っていき、スペースがなくなったら次の裏紙にうつる。
2枚目以降もページ番号を書いておく。
領収書自身がA4用紙の場合は、そのままページ番号を付ける。


全て終わっても残った領収書がある場合は、
経費としての帳簿付け忘れか、どうするかを検討。
帳簿に追加した場合には、裏紙に継続して貼る。


全て終わったら、A4裏紙を大きなクリップなどで留めておく。


これで帳簿と必要領収書の整理ができたはず。

減価償却費の処理


いつも4,5万円のノートパソコンを買っているのに、
珍しく12万円ほどのノートパソコンを年末に購入した。


10万円を超えると固定資産になることを思い出した。


しかし、個人事業主の場合、30万円未満の少額減価償却資産の特例があることが判明。
中小企業事業者等が、平成28年3月31日までに購入した30万円以下の機器などを
一括損金で処理できる。
つまり、固定資産の減価償却処理が不要になる。


参照:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例


経理ソフトで固定資産とし、償却方法を即時償却として計上する。


これだけだと固定資産として計上されただけなので、
青色申告決算書作成時に、一括償却処理の処理が必要になる。
これは青色申告決算書作成時に処理する。
この辺は、使用する経理ソフトによって違いがあると思うので、
それぞれのソフトで確認が必要。

水道光熱費の家事との按分


個人事業主としては自宅で仕事もしているので、
水道光熱費、ネット接続のプロバイダー、電話、携帯電話などの代金を
家計と按分する必要がある。


年に一回の按分で良いようだが、
それぞれに領収書を集めて、
Excelで入力、按分比率を入れておき、月々の費用按分をしている。
このExcelから経理ソフトへ転記している。
年に1回の処理。

帳簿の見直し・完成


経理ソフトで、売掛、売上、現金、預金金額などを
相互に比べ合わせて見直し。
売上、売掛の貸方借方を付け間違えていた。
簡単だぜと思っていても、意外なミスをしている。

医療費控除と領収書の整理


10万円を超える部分だけが控除対象です。
従って、毎年10万を超えない人は、処理不要です。


医者、調剤薬局の領収書だけでなく、病院へのタクシー代なども控除対象です。


領収書は1年分を袋に詰めておき、この時期に整理します。


申告書には、領収書を1枚ずつ登録してくことも可能ですが、
病院名、住所なども必要です。
昔から、患者、病院ごとにまとめ、合計金額を出してから、
Excelでまとめた方が簡単です。


幸いにして、各医療機関で領収書の大きさがバラバラですが、
それぞれの医療機関で同じフォーマットです。


従って、まず領収書のサイズで分けて、
それぞれのサイズ毎に、患者名、病院名で分けて、クリップで留めます。
その後、各クリップのまとまり毎に合計金額を算出し、
一番初めの領収書に合計金額を書き出します。
全ての合計が終わっり、余分な、余った領収書がなくなった段階で
それぞれをクリップでなく、ホチキスで止めてしまいます。


患者名、病院名、住所、各合計金額をExcelに記載し、合計金額も算出します。
合計金額が10万円を超えた金額が控除金額になります。


集計したExcelシートを印刷し、
全ての領収書と一緒に大きなクリップでまとめておきます。
これはあとで確定申告の添付資料になります。

青色申告決算書の作成


やよいの青色申告の、決算・申告のタブ内の青色申告決算書をクリックで
処理が開始される。


順番に中身を読みながら処理することで、青色申告の決算書が作成できる。


最後に、印刷すると青色申告決算書の作成は終わる。


ここまでは、個人事業主としての事業の決算処理で、
確定申告ではない。

確定申告処理
上記と同じタブ内の”青色申告決算書”の隣の
所得税確定申告書B”のアイコンをクリックして、
確定申告の書類作成が始まる。


青色申告と同じく、左側のガイドに従って、
処理していくことで確定申告書も作成できる。

雑所得


私の場合には、年金が雑所得としての入力が必要だった。
年金事務所からの源泉徴収票というのが1月中旬に届くので、これを準備。


合計金額の入力のみですが、添付書類としても必要。


女房や親父の分は、自分の個人事業主としての確定申告には不要。

源泉徴収票


去年分の収入では源泉徴収はなかったので、処理は不要だった。


年末から年始にかけて、取引のあった会社から
支払調書というのが送られてくることがあるが、
これは発行義務はないそうで、
支払調書が来なくとも確定申告の処理はできます。
というか、支払調書は確定申告では不要です。

社会保険料控除


60歳を過ぎているので、国民年金も支払ってなく、
国民健康保険の支払いだけが対象でした。


去年の支払い総額を経理ソフトの確定申告処理への入力で完了です。
領収書の添付も不要でした。

生命保険、地震保険控除


大体年末に保険会社から控除書類がくるので、
これらの金額を転記し、書類は添付。

扶養控除


普通は扶養家族がいますので、ここの記載も必須。
扶養控除は、対象者の年齢、同居・別居、状況などによって違うので、分類などを調べる必要があります。


私の場合は、親父の障害者控除が大きかったです。

確定申告書の作成


上記処理が終われば、あとは印刷だけです。


無料相談会へ向けて、印刷、添付書類の整理、コピーの準備で終です。

無料相談会


税務署からの確定申告書の封筒に、
税理士による無料相談会の日程が記載されている。
2/2〜2/4で近所の公会堂で実施されていたので、
添付書類を確認したくて、2月3日に相談会に行ってみた。


10数名の税理士が、個別に申告書、領収書などを見ながら、
申告書作成の手伝いをしてくれる。
皆さん、手とり足とりという感じの相談会だった。
決算書、確定申告書、添付書類も完全に持ってきている人は、殆どいないようだ。


相談会と言いながら、ここで確定申告書も提出できた。
添付書類を確認後、書類を整理し直し、コピーを作成し、
再度相談会に出向き、確定申告書提出、控えにハンコをもらって
提出終了となった。


最終日は非常に混む、初日も混んでいたとのことなので、
中日が良いようだ。

添付書類


税務署からの書類に、添付書類台紙という用紙があり、
これで大体判る。


源泉徴収票社会保険料、生命保険料、地震保険料、寄付金などの
項目が事前に印刷されている。


私の場合には、
生命保険、地震保険、年金、医療費領収書の添付が必要だった。


医療費領収書の添付


医療費領収書は大量になるので、
家族、病院ごとに領収書を綴じ、合計を計算し
これをExcelでまとめていたので、
これらを別封筒に入れて、添付書類とした。
別封筒は、無料相談会でもらえる。
封筒に入れただけのものを、
相談会の提出時に、受け取った税理士が、
添付書類として一緒にしてくれた。


経理ソフトでの確定申告書作成時に、
医療費の明細書という部分に”別紙参照”とし
合計金額を入力するのみで、
書類は出来上がる。

国民健康保険の領収書添付は不要
国民健康保険は領収書をまとめて持って行ったが、
添付は不要とのことだった。


区への支払いなので、区役所で判るのだろう。

公的年金源泉徴収票の添付
年金事務所から1月に”公的年金等の源泉徴収票”というはがきが来る。
これを自分の年金分だけを添付台紙に貼り付け。

控除証明の書類の添付
女房と親父を扶養しているが、これも証明書は不要で、
経理ソフトの控除対象者の欄に書き込むだけ。


親父は、心臓の手術をしているので
一級障害者となっている。
サラリーマンだった時には、
扶養者の申請時に障害者手帳のコピーを添付したが、
確定申告では不要と言われた。
これは区役所で処理しているので、コピーは要らないのだろう。

納付
無料相談会で納付書を貰ったが、
普通は税務署からの申告書と一緒に送付されるそうだ。


納付書に、納税の番号、金額、住所、氏名を書き込み、
銀行窓口で支払って、2月4日には全て終了した。

保存必要な書類


提出した確定申告書(受領印付のもの)、税金の納付した領収書、
個人事業主としての領収書、経理ソフトのデータなど
7年間保存だそうです。


100円ショップなどで、A4のクリアファイルを購入し、
これに申告書、領収書など全ての保存しておきます。
できれば背表紙に”2014年度(平成26年個人事業主申告書類”
などと書いておくと参照しやすです。

参考書籍・サイトなど
◎ フリーランス&個人事業主のための確定申告 改訂 第9版


非常に判り易く、
決算書・申告書のそれぞれのカラムの関連など参考になりました。


平成26年分 確定申告特集(国税庁のページ)



以上、(まだまだ更新すると思います)