企業の読み方
起業と倒産の失敗学
前から気になっていた、失敗学の畑村 洋太郎さんの著作。
ベンチャー企業の失敗例を10種に分類して、各1企業の事例説明。
80億円から200億円の売り上げ時に問題が発生。
起業家として素晴らしくとも、80億円の売り上げを越える辺りから
経営者一人で対応できる限界を超え、経営者としての才覚が必要になる。
序章で説明されているが、理解できず読み流す。
10章の各章でも売上高推移が図解されているが、これも読み流した。
終章の解説でやっと理解。
各章の図解を見直すと、
確かに80億円から200億円の辺りで、異常に売り上げが今日上昇している場合、
この後に、倒産の危機に陥っている。
いろいろな理由があるが、殆どが粉飾。
原因と結果だけを見てはダメ。
原因には、要因と特性がある。
この企業の特性を見つけると、何かの要因での各企業の反応方法が判る。
科学技術振興機構(JST)の
失敗知識データベース
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search
にまとめられている。
収集・分析データ項目をまとめて、
科学的に分析された失敗学のまとめ。
同じ方法でIT業界の失敗プロジェクトの分析などもできそう。
2003年に出版された
強い会社をつくる失敗学
の文庫本化。
附章としてライブドアの分析が追加されている。
ライブドアの事件を旧世代の日本社会組織と新世代の争いとしている。
同感。
終章にあるが、
10社の事例では、半数が事業活動を継続しているそうだ。
通常日本では、倒産企業の経営者の再創業の割合は13%で、
米国では47%で、
これも日本の閉塞感の問題と指摘。
これも同感。
他の畑村さんの本も読みたい。