私にとってのマイルス・デビス

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2006年02月04日 23:10の記録

マイルス・デイビス自叙伝の読みを再開。
しばらく他の本読みで忙しく2週間ほど中断していた。
ニューヨークに出てきたところから、読みを再開した。

面白い。
話のテンポも良いし、当時のニューヨークの有名ジャズクラブとか
今では有名なミュージシャンの話ばかり。
のっけからミントンズ・プレイハウス。

自分では、そんなにマイルスが好きなわけではない。




去年終わりに、菊地成孔さんと大谷能生さんの東京大学アルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編を読んで、マイルスをまた聞く気になってきた。マイルスの自叙伝も読みたいなと思って買った。

東京大学の本は、菊地さんと大谷さんが東京大学でジャズ史の講義をした記録だ。
話しているのをそのまま綴っているので、直ぐに慣れるが初めは読み難い。
内容は非常に面白い。音楽家の目で見た、ジャズの演奏形態の変化でジャズ史を説明している。講義中にかけたCD、レコードの紹介、解説を入れて、バークリーで教えるジャズ奏法から始まって、変化していく様子が年代と演奏者の説明まで、ジャズ演奏史という感じの説明。
フリージャズとインプロ(Improvised Music)の違いも面白い。
ジャズファンには、是非読むことを進めます。



菊地さんはマイルスが大好きなようで、マイルスの話、録音がたくさん出てくる。

Nefertiti


これは菊地さんが好きだと言っている録音。
聞いたことがないと思う。聞いてみたい。
これも、高校の時に出たレコードと思うが。





35年以上前の、ちょうど私がジャズを聴き始めた高校の頃には、マイルスは全盛だった。
イン・ア・サイレント・ウェイなどのレコードが出て、電気的になり始めるころだ。
エレクトリック・マイルスは賛否両論だった。
電気的なマイルスより、Four And MoreとかIn Berlinなんかが良いという人が多かった。
Bitches Brewが出たときには、殆どのジャズ評論家が批判的なった。そんな中で、油井正一さんだけがほめていたように記憶している。

当時は、自分ではまだ音楽、ジャズの良さもあまり判ってなかった。マイルスのよさも判らなかっただろう。あまり聞いていない。


The Complete Jack Johnson Sessions
マイルスが良いなと思ったのは、Jack Johnsonからだ。
これが初めてマイルスで良いと思ったレコードかな?
もろに電気で、歯切れの良いロック、ロックのマイルスだ。
単純なロックに聞こえるが、演奏は良い。




On the Corner
今は、On the Cornerが一番好きだ。
これはリズムが凄く鋭い。
ロックぽく聞こえるが、これはジャズでしょうね。
ロックの人には演奏できないと思うが。





1981年のマイルス来日では、今の新宿都庁ができる前の、原っぱに聞きに行った。
もしかすると、あれが始めて実際のマイルスを見たときかとも思う。
コンサート後、マイルスを見たぜと、当時いつも飲んでいたスティックで話した記憶がある。
当然、電化されたマイルス。音楽はどうでも良かったので覚えていない。

次が、ニューヨークで、1984年位だと思う。
これはコンサートでなく、目の前でマイルスを見た。
握手もしたのかな?記憶にない。
スイングジャーナルのツアーだったので、
編集長(?)の中山さんが、インタビューするので、そのホテル前で見れるよ、との情報。
ツアーで一緒の人とホテル前で待ち。
普段のマイルスは、よぼよぼで杖を突いて歩いていた。
なんだかカッコ良いマイルスを思っていたので、期待と大違い。
スイングジャーナルのカメラマンが写真を撮ったが、
入らなかった。
杖を突きながら歩いて帰るマイルスとすれ違った二人連れの黒人が、
すれ違ってから、”マイルスじゃん”と言っていたのが何だか印象に残ってる。


菊地さんの本を読んでから、昔のマイルスを、また聞く気になる。
CDで普段聞いているのは電化されたマイルス。



我が家には昔のマイルスのレコードが何枚かあるはず。
でも、レコードはかけるのが面倒で、CDを数枚買った。
Nefertitiも買おうと思ったが、見当たらない。

昔の演奏でよく聞いて、いいなと思うのは、

Miles Smiles

トニー・ウィリアムズのシンバルンの細かいリズムが好きだ。

Four & More

これもよく聞いたレコードだ。
昔のマイルスバンドは、ジョージ・コールマン, ハービー・ハンコック, ロン・カーター, トニー・ウイリアムスというサイドメンだから凄いよな。
Amazonマイルス・デイビスで検索すると、743件もCDが出てくる。再発とか寄せ集めでの発売とかいろいろとあるようだ。

マイルス・イン・ベルリン

これもよく聞いた。凄い迫力の演奏。
ここでは、tsがウエイン・ショーターに代わっている。

今読んでいるのが、マイルス・デイビス自叙伝。

マイルス・デイビス自叙伝〈1〉

マイルス・デイビス自叙伝〈2〉

翻訳は元スイングジャーナルの編集長だった、マイルス大好きな中山康樹さん。
中山さんの本は初めて読むと思うが、中々読みやすい。
まだ1巻目を読み始めたばかりだが、1940年頃からのアメリカのジャズ界の様子が判って面白い。
まだマイルスが若くて、バードやディズにまとわりつく若いミュージシャンの様子が良く判る。
この本を読んでいると、パーカーは本当に凄いミュージシャンだったのだと思われる。あのマイルスが、凄い演奏だったとの連発だ。
この本もジャズファンは必読かな。

今更マイルスファンになってしまう。