サンフランシスコからNYCへドライブでアメリカ横断

アメリカ快走術 大陸横断ドライブ編


著者は東北地方の中学の先生。
アメリカ横断を思いついた経緯から、始めにハワイ旅行をし、
サンディエゴからニューメキシコ、グランドキャニオンの小旅行で
アメリカ一人でのドライブ旅行に慣れる話で、本の3分の1が終わる。
サンディエゴからの旅の話も参考になる。
アメリカ横断する期間的余裕のないひとは、
この旅でも充分アメリカを満喫できそう。


3章から、サンフランシスコから始まる2週間のアメリカ横断ドライブ。


サンフランシスコから始まるところが、こちらの希望とは違うが、
コース的には可也参考になった。


前の鈴木光司さんの本でも出てくるグランドキャニオンに近い場所に行っている。
やはりアメリカ横断ではグランドキャニオンは外せないようだ。
アイダホでのフィールド・オブ・ドリームの舞台も行ってみたくなる。


デトロイトからナイアガラの滝、ボストンからニューヨークへの道筋は、
こちらの想定とも可也近い。


文書は非常に判り易く、
一人静かに旅している様子、
だらだらと同じ景色の中でのドライブで飽きてくる様子、
など各場面の描写も判り易く、目に浮かぶようだ。


この旅の日付が明確に書かれていないが、
あとがきから、1985年か1986年の様子。
旅行にカメラを持っていくのは嫌いだそうで、
本ないに1枚の写真もないのと、旅行の全体を示す地図がないのは残念。
地図がない替わりに、全米道路地図と付き合わせながら読むと、
自分で運転して行くようで、中々面白い。
会社で昼食時に読みながら、Google Mapで道路を追いながら本書を読むと、
これも中々面白い。


やはりドライブ旅行記は、道路地図と見合わせながら読み進むのが良い様だ。


非常に参考になりました。


参考経路:
1日目:San Francisco-Lake Donner,CA
2日目:Lake Donner,CA- Nevada-Provo,UT
3日目:Provo,UT-Grand Junction,CO
4日目:Grand Junction,CO-Greeley,CO
5日目:Greeley,CO-Nebrasca-Councilbluffs,IA
6日目:Councilbluffs,IA-Iowa Cit,IA
7日目:Iowa Cit,IA-Hannibal,MI-Danville,IL
8日目:Danville,IL-Indiana Polis,IN-Columbus,OH
9日目:Columbus,OH-Detroit,MI-London,ON,CA
10日目:London,ON,CA-Utica,NY
11日目:Utica,NY-Braintree,MA
12日目:Braintree,MA-RI-CT-NYC
13日目:NYC



2009/8/9 Google Mapで経路を書いてみた。



View アメリカ快走術SFtoNYC in a larger map



追記:2009/8/22 この本は中々見つからない。図書館から再度借りてメモを作成。
アメリカ快走術の再読から

P73 デス・ヴァレー
ラス・ベガスから国道95号線を70マイルほど北上し,州道373号線を左折。
カリフォルニア州に入り,州道127,190と経由し,約2時間でデスバレー中心地のファーニス・クリーク。ナショナルモニュメントで,生息する動植物がいい。

P105 ボーナビル・スピードウェイ(最速のインディアンの舞台)
ヴェンドーバーから東に数マイル走ったところを左に曲がった。塩の中の道をさらに十マイルほど進むと、(ボーナビル・スピードウェイ)の入り口に到着した。
スピードウェイといっても、スタジアムがあるわけではない。ただ長く広いだけの岩塩のコースがあるがあるだけだ。
・・・・レースは六月から九月までの第三水曜日に行われる。最もコンディションのいいのは八月と九月だ。

P108
アメリカ一長いといわれる直線道路を通りソルトレイク・デザートを抜けると、左手に塩の湖グレート・ソルト・レイクが見えてきた。

P112
1930年代、東部から西部へ向かう道といえば、ルート66がその代名詞であった。
現在は、南から順に10号線、40号線、80号線、90号線の四つのインターステートがアメリカを東西に貫いている。

デリケート・アーチ
70号線に乗ってすぐ、アーチーズ国立公園の看板が目に入った。
その国立公園の名前は聞いて知っていたのだが、私は、もっとアリゾナ州寄りに位置しているものとばかり思っていたので、全く予定していなかった。もちろん予備知識もなかった。
アーチーズ国立公園へ向かうには、国道191号線に折れ、70マイルほど遠回りしなければならない。
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30マイルほど走ると、辺りは何やら異様な風景へと変貌しつつあった。
岩の色が赤くなり、巨大な岩石がゴロゴロ重なったような場所をいくつか通り過ぎると、国立公園のゲートがあり、その奥にビジターセンターの建物が見えた。
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アーチーズとは、その名の通り、アーチ型をした岩岩という意味である。
太古の昔、水平に堆積した地層が岩となり、地殻の変動によって垂直に向きを変え、風化によって硬い部分だけが板状に露出する。この岩盤も長い歳月をかけて崩壊していくのだが、その途中で、腹部だけ先に崩れて穴が開き、アーチ状になることがある。ここには、そのような地形が集中しており、幾つかの観光ポイントがあるのだ。
岩が崩壊するほどだから、当然、気象条件は厳しい。特に、昼夜・夏冬の温度差が大きい。

P117
70号線に戻るために選んだのは、州道128号線だった。
この道を選んだのは、インターステートに戻る最も近道だったこともあるが、地図を見るとコロラド川に沿った未知だろうということがわかった。心身ともに乾燥した気分を少しでも潤してくれるのではないかという単純な思いが強かった。
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可w沿いといっても谷の上を通る道かと思っていたところ、自一切にコロラド川の渓谷を川面に沿って走る軽快なドライビング・コースだったのだ。全体としては20マイルほどの短い道なのだが、その景観が素晴らしくいいのだ。

P122
インターステート70号線の険しさがピークに達し、山あいの町ジョージタウンを過ぎたところで、国道40号線に左折した。
幾つかの峠を越え、山の襞へと分け入った。
グランビーの町で昼食をとり、国道34号線に分岐する。緩やかな勾配を昇ると、道は森へと入っていった。
ロッキー・マウンテン国立公園入り口のゲートで五ドルの入園料を払い、オフィシャル・マップ&ガイドをもらうと、そこから先は大自然の宝庫だった。
大小さまざまな湖沼と美しい針葉樹の森を眺めながら、快適なドライブが続く。それまで走ってきた殺伐とした乾燥地帯を思えば、ここは瑞々しい生命感にあふれている。
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ビーバーが住んでいたという池には、たくさんのビーバー・ダムが残されていた。近寄って見ると、ガラスのように透き通った水の中を悠々と魚たちが泳いでいた。
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葛折りとなった道をひとしきり登ると、僅かばかりの駐車スペースがあった。注意していないと見落としてしまいそうな看板に、コンチネンタル・ディバイドと書かれていた。そこが大陸を太平洋側と大西洋側に分ける境界線だった。

P136
それはアイオワ州の片田舎、ダイアーズビルという小さな町にある。
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そう、映画『フィールド・オブ・ドリーム』の舞台となった、あの場所のことだ。
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いいこと、サード・ストリートを右に曲がるのよ
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十五分ほど走ったろうか。どこまでも続くトウモロコシ畑の中に、そのグラウンドは、本当に存在していた。
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白い家もブランコも、たった七段しかない観客席も、映画そのままの姿でそこにあった。

P146
ミズーリ州の片田舎にあるハンニバルは、そんなミシシッピー川の岸辺にある小さな町である。
ハンニバルには、トムやハック・フィンの生きていた1800年代の家並みが残っており、マーク・トウェインが少年時代をすごしたという家も、現在、博物館として保存されている。
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ぼくぼく歩きながら、それらを見て廻るうちに、この町だけが時間がゆっくりと動いているような錯覚に陥った。それは、ミシシッピーの緩やかな流れのせいだけではなく、古きよき時代のアメリカを感じさせる何かが残っているからのような気がしてならなかった。