自由な音楽の楽しさ のなか悟空&騒乱武士es

のなか悟空&騒乱武士es/鈴木新(ss) バッキー(as)NOBU(ts)鈴木放屁(ts)忍田耕一(tb) 高橋保行(tb) 大久保一樹(tuba) 西村直樹(b)クラッシー(per) のなか悟空(ds)  @ なってるハウス


このバンドを聞くのは2回目だが、やはり楽しい演奏だ。
20年前のイースターシア・オーケストラのような演奏方法のようにも思えるが、
Luther ThomasのHuman Arts Ensembleのようなセントルイス・ファンクの流れのように
荒削りで、自由度の高い演奏だと思う。
Art Ensemble of Chicagoなどのフリージャズに行き着く演奏方法だ。


ミンガス・ビックバンドのような自由さも感じた。
10年前にミンガス・ビックバンドを聞いたが、
皆知っているミンガスの曲を演奏するので、
演奏者がバラバラと集まってきて、時間になると音合わせもなく、演奏が始まってしまう。
始めは普通に曲を演奏しているが、誰かが出した音で、全員でとんでもない音楽に飛んでいってしまう。
どうなるのかと思うと、そのうちに、何かの切っ掛けで皆が元の音楽に戻って終わる。
あの自由さ、自由度の高い音楽にも驚いた。


演奏者はメロディ、音程など結構間違えていたようだが、
間違えも許容してしまう自由さ、無視できる強さがある。


のなか悟空さんは演奏が素晴らしいとかドラムが良いというよりは、バンドのもって行き方が上手い。
単純なメロディーに、ルーズなアンサンブルから、緊張感へと強弱をつけたサウンドを作り出している。
音楽的には、西村さんのベース、クラッシーの素晴らしいリズム感をベースのリズム隊に、
そこにasのバッキーを中心にフロントを自由にかぶせて行く、
これに悟空を中心に、そのときの気分で演奏をどんどん変化させる、バラエティさを持った音楽。


悟空のリズムは基本的には単純なロック風のリズムだが、アフリカ音楽のような根強い、根深いリズム。



演奏を聞きながら、何が面白い音楽なのか考えてしまった。

  • 演奏者が楽しんで演奏していること
  • 演奏が変化していくこと
  • 遊びの要素が多いこと
  • ルーズなグループサウンドの中に緊張感がある
  • メロディ、リズムが単純で簡単に変化しやすいこと

もっといろいろとありそうだが・・・まとまらない



Youtubeにいくつも演奏のビデオをアップしているそうだが、
のなか悟空&騒乱武士では1つしか見つからない。