今日のレコード

Out To Lunch
Eric Dolphyのレコードではこれが一番好きだ。
全体に緊張感の走る演奏、急にガーンを入るバイブの衝撃。
Blue Noteなので当然録音はRudy Van Gelderの輪郭のはっきりした音。



◎Journal Violone / Barre Phillips(Opus#2)
女房がBarreさんを大好きで、大昔に買ったレコードだそうだ。
1968年にロンドンの教会で録音されたというバール・フィリップスのソロ。
最近のテクバリバリの音数の多いベースソロでなく、
もっと優雅な時代のベーステクを駆使した演奏。
B面最後にベースを横に置く音とその後に去っていく足音もカッコ良いと言われる録音。
一度CD化されたが、著作権の問題かなにかで直ぐに発売中止になったと聞いている。


その後Journal Violone IIとか続編のような名前での録音が沢山あるが、
全く違うバールさんの初期の作品。
本当に貴重なレコードのようだ。
ヤフオクで貴重なレコードと紹介されていたのがJournal VioloneIIだった。
これは我が家には2枚あるので、そんなに貴重ではないはず。


上村二男さんのフリージャズブックにも掲載されていないので、
上村さんも知らないレコードなのかな?


そういえば、最近はバールさんを聞いていない。
去年だか一昨年だかにEgg Farmで聞いたと思うが。



◎All About Dancing Mist / 菊地雅章Philips FS-5072〜3)
懐かしいプーさんのグループ。
Joe Hendaersonの入った演奏、ヤマハホールでの演奏、ポールウィーナーズでの演奏、サンケイホールでの演奏と、
Dancing Mistだけが4つも入った2枚組みのレコード。
1971年頃の録音。
当時のプーさんのバンドは、
2ピアノ、2ドラム、1サックス、1ベースという非常に面白い編成で、
特にドラム2人の微妙なリズムの違いが面白かった。
一番聞いたのは、村上寛、岸田恵二とのセットだった。
このレコードは懐かしいし、古い演奏とも思えない。


このレコードもCD化はされていないようだ。


当時、ナベサダ、ヒノテル、菊地雅章さんのバンドは売れに売れていたが、
菊地雅章さんはその後NYCへ行ってしまい、
余り良い演奏を聞いていないのが残念。


数年前に村上さんの演奏を聞いたがカッコ良い演奏だった。
多分60歳くらいだろうが、
真冬に黄色いアロハを着て、ジャック・ディジョネットのような演奏をしていた。
カッコ良いじじになったなと思った。



Swiss Movement / Les McCann & Eddie Harris / Atlantic SD-1537
1969年のモントルージャズフェスティバルでのレス・マッキャンとエディ・ハリスの演奏。
いつもながらのファンク調のレス・マッキャンのピアノとボーカル、
TPのベニー・ベイリーがカッコ良い。
ジャズの粋さもあるし、ファンクのノリもよくノリノリのライブ演奏。
会場の客がノリノリの様子も判る。


A面3曲目のKathleen's ThemeはLes McCannオリジナルでマジの曲になって難しいのか
メロディでEddie Harrisの音が変だが、後半のソロは素晴らしい。




Now Hear This by Hal Galper and Terumasa Hiro
/ Enja 2090
これもAmazon.co.jpにないのでCD化されていないのかと思ったが、Amazon.comにはあった。
いまだに素晴らしい1977年のNYC録音での演奏。
Hal Galperとヒノテルだけでなく、BはCecil McBee、DsはTony Williamsの当時の最強メンバー。
レコードジャケットもカッコ良いし、演奏も素晴らしい。
ヒノテルのペットも鳴っている時期だし、
Tony Williamsのスネア、シンバルンも軽快に鳴りながら、
Cecil MacBeeが低音から絡んでくる・・・ジャズの醍醐味。
この演奏は、今目の前の聞いても感激すると思う。
バックが素晴らしいので、Hal Galperがかすんでいるかな。
Tony Williamsもいいときの演奏のようだ。
ジャケット裏の写真もまとも。


ヒノテルが対等に演奏しているのも凄い。
日本人のジャズミュージシャンで、世界の一流ミュージシャンと、
ここまで対等に演奏している人も少ないだろう。
静かな曲では、もう少し張りが欲しいな。


レコードもジャケットも綺麗だが、
ジャケット下の糊がはがれて来ている。
このレコードは録音もクリアー。



Mandance / Ronald Shannon Jackson
1982年の録音。
吉田カツのジャケットもカッコ良い。
オーネット門下生のShannon Jacksonの演奏。
同じ門下生のVernon Reidの演奏も良い。
オーネットの作ったハーモロディクスの独特の音楽と、
Shanonn Jacksonの作り出す緊張感、スピード感が素晴らしい。


普通の人が聞いたら、何と言う演奏だと思うのだろうな。
この手の音楽ばかり聴いていた時期もあった。
1991年から1998年にはダラスに行くチャンスが多く、
当時はオーネット一派はCaravan of Dreamからのレコードが多かったので、
フォートワースのCarava of Dreamをのぞきに行ったこともあった。
但し、ダラス北部のアパートにいたので1時間半の夜中のフォートワースまでの道程は遠く、
昼間に会場をのぞくだけだった。
オーネット一派の、この手の演奏をフォートワースで聞きたかった。
フォートワースはカウボーイで今でも有名な町なのに、
こういう音楽と関連があることが面白い。