ブルース好きにはたまらない キャデラック・レコード

ブルースレコードレーベルでは一番有名なChess(チェス)レコードの話。


始めがウィリー・ディクソンが説明を始める。
次にマディー・ウォーターズがミシッシーッピーの畑仕事で
ワークソングを歌っていて、録音したことで、ブルース録音収集家から金を貰って、
音楽で金になることを知り、シカゴへ出てくることになる。


シカゴの黒人街でブルースバーを経営しているレナ・チェスがマディを発掘して
チェス・レコードを始める。


マディ、リトル・ウォルター、ハウリン・ウルフチャック・ベリー
エッタ・ジョーンズと次々と時代に乗ったミュージシャンを発掘していく様子、
音楽の変化、楽器の変化が良く判る。


大昔は大流行だったブルースも
チャック・ベリーでロックンロールに変わって行き、
チャック・ベリープレスリービージーズと変わって行き、
マディも儲からなくなる。
そこへヨーロッパからローリングストーンズがチェスへ来たことで、
ヨーロッパでのブルースブームでマディの人気が復活していくことで映画は終わる。


ローリング・ストーンズのグループ名も
マディのヒット曲からきていることも紹介される。
リトル・ウォルターがヤンチャだったことは有名だが、
博打で殴り殺されることとか、
マディとハウリン・ウルフとが仲が悪かったとか
ブルースファンだと知りたいことがいっぱい。


ミュージシャンは殆ど亡くなっているので、出演者は当然本人ではない。
従い、映画の中の歌などはまあまあ。
でも、
ビヨンセ演じるエッタ・ジョーンズは上手い。
テレビCMでも良く見るが、こんなに上手い歌手だとは思わなかった。
やはり黒人の血なのだろう、ゴスペル風な歌などは、
声の張り方、艶、リズム感、音楽性の深さなど文句なし。
この子がジャズ系を歌うのを聴いてみたい。



お盆休み最後の日曜日の夕方近くの新宿の映画館で
映画館の待合室はいっぱいの人。
これだけ人がいると、知った人に会いそうだなと言っていたら、
案の定、カメラマンの菅原さんがソウルを歌うという女性と来た。
何見るのと聞くので、ここの映画だと見るのは決まっているだろう。
エレベーターで一緒になったおじさん達も同じ映画。
やはりブルースは若い人でなく、オジサンの趣味になってしまったのだろう。


この映画は、ブルースファンには堪らない映画。
ブルースファンには絶対お薦め。
でも、ブルースを知らない人には少々辛いかな??



アメリカではDVDが既に発売されているのかと思ったが、
この映画の歌がCD化されているだけの様子。