清々しい,感動的な青春物語 翼はいつまでも

◎  翼はいつまでも / 川上 健一 (著)

青森県の中学三年生、神山は補欠の野球部員、平凡な生徒だ。ある日米軍放送で聴いたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が彼を変えた。聞き覚えてクラスで歌い彼はクラスで認められた。

との背表紙の文句を読んで,これは面白そうな音楽系の小説と思って読み始めた。


始めの30ページほどは玉拾いの野球部員の話で,
なーんだと思っていた。
夜中に米軍放送で,ビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」を聴いて感激し
一晩で覚えて,翌日学校で下手な英語で歌う場面あたりから
話は段々と面白くなってくる。


ビートルズの歌に刺激されて,
自我に目覚めるというのか,
自己主張をできるようになってくる中学3年生。


舞台は十和田湖周辺で,
著者の出身地,自分達の時代の話。
1949年生まれの著者なので,丁度ビートルズが出てきた頃に中学生。
米軍放送はFEN,Far East Network,であの頃は珍しい音楽を聴けた放送局。
あの頃は,先生は皆横暴だったと思う。
まして田舎の中学だと酷かったのだろうな。


久々に,清々しく,感動的な青春小説を読んだ。