ヒューマンエラーの勉強 保守事故

◎  保守事故


ジェームズ リーズンと言う方の、
航空機事故、石油掘削事故などを研究した保守事故対策の本。


ヒューマンエラー対策としては有名な本のようだ。


情報セキュリティ事件の誤操作対策として参考にならないかと思って読んだ。


しかし、大きな機器などの保守を原因とした事故対策と
情報セキュリティ事故とは少々違うようだ。
参考になりそうな部分はあるが、即使える対策はないと思う。


情報セキュリティの分野も、
この書籍と同じような事件の分析をして対策を考えていくべきなのだろう。


情報セキュリティ事件の大事件は、
内部犯行と外部からのハッキングが中心にしてヒューマンエラーと結びつけるのかな。
私の考えていたのは、誤操作なので、
非常に多く発生する、小さな事件なので、対象が違うのだろう。


また読み直さないといけない本のようだ。


日科技連出版社のホームページから主要目次

第1章 保守におけるヒューマンパフォーマンス問題
第2章 人的リスク
第3章 ヒューマンパフォーマンスの基本
第4章 エラーの種類
第5章 局所的なエラー誘発要因
第6章 システム上の欠陥による3つの事故と組織事故のモデル
第7章 エラーマネジメントの原則
第8章 個人およびチーム
第9章 作業現場およびタスク対策
第10章 組織対策
第11章 安全文化
第12章 さあ、始めよう−エラーマネジメントのマネジメント−

http://www.juse-p.co.jp/cgi-bin/html.pl5?i=ISBN4-8171-9151-1



気になった部分


P133
7.2エラーマネジメントの原則
(1)ヒューマンエラーは普遍的なものであり、避けられないものである
(2)エラーは本質的に悪いものではない
(3)人間の状態を変えることはできないが、人間の働く条件を変えることは可能である
(4)最良の人間でも最悪の過ちを犯すことがある
(5)人間は意図せずにとった行動を簡単に避けることができない
(6)エラーは結果であり原因ではない
(7)エラーの多くは繰り返し発生している
(8)安全上の重大なエラーは、組織システムのすべてのレベルで起こる可能性がある
(9)エラーマネジメントは管理可能なことを管理することである
(10)エラーマネジメントは良い人材にさらに磨きをかけることである
(11)唯一、最良の方法はない
(12)効果的なエラーマネジメントは、部分的な修正ではなく継続的な改善を狙っている


P182
表9.2 思い出すための工夫を優れたものするための10の基準
人目を引く
隣接している
関連づける
内容を示す
数を数える
強制する
確認する
使いやすい
外しやすい


P187
表10.1 どのように再発防止策と予防的プロセス対策をともに機能させてシステムと防護の弱点を明らかにするか
(縦軸)作業場所と組織要因と防護、防護壁、安全装置
(横軸)再発防止対策、予防的プロセス対策


P193
MESHとは次のような前提にもとづいている

・安全とは、単にマイナスの結果で測るものではない。安全とは、運用にあたっての潜在的危険性や、事象誘発要因に対して、システムが本来備えている抵抗力という機能である。この免疫力は安全健全性と呼ばれる。
・安全健全性とは、局所的な作業場所レベルおよび組織レベルの双方において、多くの要素間の相互作用から明らかになるものである。
・あるシステムの安全健全性は、このような局所的要因と組織的要因の限られた部分を定期的に検査することを通じてのみ、効果的に評価し、管理することができる。
・MESHは、長期的な健全性プログラムを持続させるのに必要な指標を提供する目的で設計された。



P231の12.3なぜエラーマネジメントが必要

・エラーマネジメントを効果的に行うには、文書化に傾注するのではなく、適切な考え方をもつことが重要である。つまり、分厚いバインダーのセットがあることを証しとするシステムではない。エラーマネジメントの要素が、正式に品質あるいは安全管理システムの一部として組み込まれて、初めて文書化できるのであり、また文書化されるべきである。
・エラーマネジメントを効果的に行うには、マーフィーの法則を出発点とすべきである。失敗しうることは失敗するのである。エラーや品質の欠陥は、当然のことながら予測すべきである。すなわち、生まれて死ぬという不可避な人生の現実そのものである。エラーをなくすことはできないが、人、チーム、タスク、作業場所やシステム全体を対象にした幅広い対策で、エラーをコントロールすることは可能である。最良の方法があるわけではない。各々の組織の仕事のやり方に最も適した対策を採用していかなければならない。
・エラーマネジメントを効果的に行うには、ヒューマンエラーの多様性、ならびにエアー発生を促進する条件を理解することが必要である。エラーのタイプが違えば、対策も違ってくる。とはいえ、可能であるならば、人間側の条件を変えようとするよりも状況を正すことのほうが望ましい。事故や災害は、エラーをしやすい人間がもたらす結果である。心理学的な解決策よりも、エンジニアリング的解決策、すなわち技術的あるいは社会学的解決策のほうが、うまく機能し、その効果は続きする。
・エラーマネジメントを効果的に行うには、情報に立脚した文化が不可欠である。ヒューマンパフォーマンスを阻害する要因に対する集団的意志をもち、生産的な活動と危険な活動の境がどこにあるかを知とする文化である。言い換えれば、公明正大で、不安全行動をすすんで報告し、そこから学ぶことのできる組織文化を創造することが必要だということである。
・ただ単にエラー低減ツールあるいはエラー封鎖ツールを取り入れるだけで、ことさら注意を払わなくても、それだけでうまく働くと高をくくっていては、効果的なエラーマネジメントは実現しない。これは、多くの技術者の管理者に共通する間違った考え方である。彼らは、機器を導入して、電源の供給が続く限り、期待どおりのことをしてくれるという当然の期待をもってスイッチをいれるのが自然である。また、1つひとつの作業が終わった後にチェックを入れる作業チェックリストをよく使う習慣がある。しかし、エラーマネジメントツールは、そういうものではない。リストにチェックが入れられないこともありうる。エラーマネジメントツールは、日常的に注視が必要で、活性化し、改良し、介入し、そして調整する必要がある。適切な考え方がエラーマネジメントを効果的に行ううえで重要であると述べた理由は、ここにある。



P240
表12.1組織頑健性評価チェックリスト(CAIR)はコピーしておこう


以上