音楽を楽しんでいる様子が良い 音楽のある知的生活

◎  音楽のある知的生活


渡部昇一,渡部玄一親子での音楽にまつわる交換書簡のような本。


渡部昇一さんは知的生活の方法がベストセラーになって名前を知った。
上智大学の教授と言うことだったが、卒業生でもあっるそうだ。
私が在籍していたときにも教授だったのかもしれない。


山形育ちで幼い時は全く音楽のない生活だったそうだ。
私の小さいときも音楽なんて、
ラジオから流れる歌謡曲浪曲ぐらいだったから
渡部さんの言っている状況が良く判る。


ドイツでの留学生活からドイツ民謡から始まる音楽経験、
そして音楽家の奥さんとの結婚、
そして3人の子供が音楽家になっていく、
海外での生活が大きく影響しているようだ。


渡部さんが段々と音楽に傾倒していく様子も面白い。
自分で音楽を好きになっていた時と同じような気持ちになる。


息子さんの、
皆にクラシック音楽のコンサートに来て欲しいという気持ちも良く判る。


しかし、日本でのクラシックのコンサートのイメージが余り良くない。
楽曲の間でも静かにしている、曲が終わると盛大な拍手、
コンサートの終わりには必ずアンコールなど
画一的な音楽の聴き方、本当に良さが判っているのかよ、
という日本の聴衆が嫌いだ。


何故もっと音楽を楽しんで聞かないのかと感じている。
まあジャズ系でも同じようなものだが。


この本に書かれている曲、演奏家の音楽を聞いてみたくなった。


先月上野で聞いたクラシックのコンサートでも、
オーケストラも聴いてみたいなと思った。


今まで、音楽の本を読むのは好きでなかったが、
最近、ジャズ以外の、この手の本を読んで面白いと思うようになった。
なんとなく、自分の感覚が、少しずつ変化してきているようにも感じている。


短編集とかエッセイ本も好きでないのに、
何故かこの本は面白かった。
非常に面白い本でした。