システム提案にも業態、業界を考慮すること

IT業界のベテランとシステム提案を話し合っていると、
時々変なことを言い出す。


顧客の業務とか業界、業態を考えていないシステム提案をしている


例えば、小売チェーン店などでも
センターとの常時接続オンラインシステムが必要だ想定していた。


まあ、いまどきネットワーク的に常時接続は問題なのだが
業務システムを常時接続して、
そのサポート、オペレーションの人々が必要と言い出すと
見当違いな提案になってしまう。


店舗内の商品を販売する小売店舗の業態では、
店舗内の在庫を販売するので、
基本的にPOSレジを使って、在庫を対面で販売する。
従って、販売業務では、センター、本社との常時接続コンピューターシステムは使わない。


POSレジ内には、商品マスター、在庫数、価格、売上情報、顧客情報などが入っている。


これに該当するのは、
スーパー、コンビニ、書店、レストランなど。



一般消費者向けインターネット販売では、24時間サービスが当然。


特にベテランのシステム屋は
昔の大型コンピューターでの業務システムの経験から
昼のオンラインサービス、夜間のバッチ処理の意識があり、
インターネット販売でもサービス時間を昼間と考えている人が多い。


一般消費者向けネットショップの利用者が多い時間帯は
昼休み、夕方から12時過ぎまでなど。
つまり日中は仕事時間なので、帰宅後にネットショップで買い物をする。


こういう業態に向けて、
日中中心のオンラインサービスとか
夜にシステムメンテナンスなどの提案をすることは
ナンセンスだ。


しかし、特別な考慮が必要な場合がある。
特別な売り出しなどがあって、
これに人気がある商品、ネットショップでは
売り出し開始時に異常なアクセスになる場合がある。
このケースで問題なのは、
高アクセス時に必要なシステムキャパシティと
アクセス数の少ない時のキャパシティの相違。
高い時にあわせると、非常に高価なシステム投資となる。


企業向けの商品は、当然日中に会社から注文することが多いので、
システムは日中中心のサービスで充分。
真夜中には利用者は殆どいないので
サービスを停止しても問題ない。


顧客企業規模も考慮しないといけない。
社員100名の企業に対して、
システム運用のために10名のオペレーターが必要なシステム提案などはありえに。


コンビニなどの業態では、
1店舗で店長1名だけが社員で、他はアルバイトなどが殆ど。
100店舗ある会社の場合は、店舗運営で、120名ほどの社員で
本社組織に30,40名ほどの会社が多い。
ここにシステム部だけで10名とか20名はありえない提案になる。



システム屋は、どうしてもコンピューター機器、ソフトを中心に考えていて、
機器性能とかシステム機能だけを考えた提案になってしまう。
使う人の立場になっていないために、
非常識な提案をする場合が多々ある。