新たなツールによる社会の変化の可能性 Twitter社会論
◎ Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
今更ながら、津田さんのTwiter社会論を読んだ。
へそ曲がりなので、流行っている本は読まないので、
今まで読まなかった。
普段から、津田さんのTwitterも見ていて、
新しい本も出版とのことで、この本を読んでみることにした。
Twitterの特性、現状のマスメディアの問題から
Twitterの使い方、米英での事例、今後の可能性など
幅広く書かれた、”社会論”で、素晴らしいと思った。
”tsudaる”という言い方も始めてわかった。
ツイッターでの発言することを意味しているのかと思っていた。
以下、気になるポイント。
80ページ
そもそもメディアやジャーナリズムが持つ本来的な「機能」とはいったい何か。これは、捕らえ方によっても違ってくるが、大きく分ければ、社会的に影響の大きい事件や事故、支援災害をできるだけ早く、漏れなく伝えると言う「伝達機能」と、批判的に権力を監視して、権力が現在何を行っているのか公開するという「監視機能」の2つだ。
81ページ
現在のメディアやジャーナリズムには、彼らが本来的に持っていた伝達機能、監視機能に加えて、社会問題の争点を公共化する「構築機能(アジェンダセッティング)」が求められているのだ。
107ページ
ネット時代のジャーナリズムはどうあるべきか。そのことを考える時に参考になるのが、09年9月に公開された「インターネット・マニフェスト−今日のジャーナリズムはいかに機能するか」だ。
このマニフェストは、http://www.internet-manifest.de/ で公開されているようだ。
134ページ
こうした状況を受けて、09年7月には、英ビジネスイノベーション技術者のニール・ウィリアムズが作成した20ページにもわたるツイッターの利用ガイド「政府機関のためのツイッター戦略テンプレート」が英閣僚に配布されている。
このテンプレートはブログ「シロクマ日報」(http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/)の管理人、小林啓倫氏の手によって全文が日本語訳もされている。
138ページ
単にメールマガジンと同じ感覚でツイッターを使ってもあまり意味がない。ツイッターを使う最大の利点はリアルタイム性と伝達力だ。
144ページ
日本はツイッターどころか社員にブログを禁じている会社も少なくない。内部情報漏えいや機密保持契約との関係を恐れてのことだろうが、一律に禁止するくらいならむしろ最初から、「業務を通じて知りえた取引先の情報は欠かない」、「同業他社のネガティブな情報は書かない」、「業界の内部事情や裏話を書くときはできるだけ具体的な情報をぼかし、固有名詞や対象が特定されないようにする」といったガイドラインを自主的に設けた上で個人による情報発信を認めた方が長期的なメリットがあるのではないだろうか。
ちなみに最後のガイドライン例は、あえて「書かない」ではなく「書くときはぼかして書く」にしたが、これには理由がある。ツイッターで人気を集めやすい書き込みはまさに、そうした現場の人間にしかわからない(問題のない範囲の)裏話やエピソードだからだ。
145ページ
「企業内個人」のつぶやきは今後大きな力を持っていくだろう。必要以上にネット上でのトラブルを恐れるのではなく、むしろトラブルにつながりかねない問題が起きたときに、迅速に誤解を解きほぐし、その様を多くのユーザーにオープンにすることでその個人と所属企業の評判を高めていくことが重要だ。
149ページ
企業活用の具体的事例
ツイッターの企業利用の事例は枚挙のいとまがない。米国の成功事例であれば「Twitter101」に細かく掲載されている
152ページ
同社では、ツイッターの企業活用について、3つの「m」が大事であるとしている。それは「monitor(モニターする)」「mingle(会話に混じる)」「measure(効果測定する)」だ。顧客の不調をカジュアルに吸い上げ、押し付けがましくないちょうど良い距離感でコミュニケーションを図ることができる。それこそが「企業アカウントでも、その先にいる人間の顔が見える」ツイッターの魅力であり、特にサービス業にとってはこの特徴を理解することに有効活用の鍵がありそうだ。
勝間さんとの対談部分から
エゴサーチ(自身に関する情報をネットで検索すること)
へー、エゴサーチというのか、知らなかった。
166ページ
紙媒体のライター仕事の場合、文字数が決まっている。
・新聞:500〜1,000字
・雑誌:2000〜3,000字
189ページ
そしてタイムラインの景色が変わるのが、フォロー数300〜500を越えるあたりだ。ここまでフォロー数が増えると、情報の流れも速いため、「タイムライン上の情報はすべて見なければいけない」といった強迫観念から解放される。あとはツイッターにアクセスしての時々の出来事や思考という、リアルタイムの情報の流れに身を委ねればいい。
ツイッターが牽引するリアルタイム・ウェブの隆盛は、ネットに「リアルタイム性」というアナログで不正確な要素を大量に注入した。ツイッターの場合、不確定でアナログ、そして140字という次数制限があったために、逆に使い方の自由度も高くなった。それがツイッターを、人間の多面性が表現でき、つぶやく人間のパーソナリティを浮き彫りにするプラットフォームにしている。勝間さんとの対談で、「ツイッターは初期・原始インターネットに近い」という話題が出たが、それはツイッターが、既に固定化しかけていたネットの世界の中に「新たなインターネット」とも言うべきリアルタイム・ウェブの潮流を持ち込んだことで、ネットが一度リセットされようとしているということかもしれない。