日本語の勉強をしないと 日本語の歴史
◎ 日本語の歴史 (岩波新書)
感激的な日本語の歴史。
はじめに的な、最初の章”日本語がなくなったら”5ページ目
母国語を失うということは、物の考え方、感じ方を失うということ。大げさに言えば、具体的で感覚的な日本文化が消えている
から始まり、
6ページ目
日本語と言う素材を大切にし、いつくしむ心が、結局は人類を豊かにする・・自らの創意工夫を凝らしてつくりだした文化を大切にしあうことこそ、人類を救う・・・
日本語の歴史を知るということは、日本語の将来を考え、日本語によって紡ぎだされた文化そのものを大事にし、後世に伝えていく精神を培っていくのに役立ちます。
主旨が素晴らしい。
次章から時代毎の日本語の変遷が続く。
I.奈良時代に漢字の導入
II.平安時代にカタカナ、ひらがなの発生
III.鎌倉・室町時代での係り結びの変遷
IV.江戸時代に近代語が出来上がり
V.明治時代の言文一致で現代の日本語になる
文章事例とその訳をまじえての説明で、全体的に判り易い。
しかしIII章の「係り結び」連体形の説明から、私にはIII章が判り難くなった。
高校の古典文法の時間に誰でも習ったから簡単ですよね、
で連体形の話が始まってしまい、この章の話が判らなくなった。
IV章で話は江戸時代に近代語が出来上がるとの話で
また判り易くなった。
終章の”日本語をいつくしむ”で
日本語、日本人、日本が考えないことを提示している。
219ページ
これからは、日本人も論理的に人前で話せるようにならなくてはなりません。国際化社会にあたっては、異なる文化の人々に自国の文化や自分の意見をきちんと論理的に説明していく必要がある・・それが、この地球に住む人々の義務でもあるのです。文脈や背景の読めない相手に対しては、言葉を断片的に投げ出すのではなく、言葉をきちんとつなぎ合わせて手渡す訓練がこれからの課題です。
非常に同意。
「グローバル化のためには幼児期からの英語教育が必要」
という変な意見、話、記事を最近よく見掛けるが、
母国語で論理的に意見をまとめられるようになってから
外国語、英語の勉強をすべきと思っている。
日本人は英語ができないのではなく、
論理的に話をまとめる・説明する訓練を受けていない事が問題だろう。
この本を読み終わり、
日本語の勉強が必要だなと思い、次の勉強のための本を探し始めた。
もっと日本語で上手く説明できるようにならないと
英語でのコミュニケーションも上手くならないな。