広告マンだったからこそ書けた広告ミステリー 「感染広告」

◎ 



推理小説は大体初めの3割程度は我慢して読まないといけない。
初めの3割程度は、状況設定で、
その後段々と仕掛けに入って、謎解きになる。


こういう段階を経るので、
ページ数の少ない推理小説は面白くない。
ページ数が少ないので、仕掛けができたためだろう。


面白くない推理小説は、大体3割程度を過ぎたところで読むのを止めてします。


この本、感染広告は、書名がおもしそうだったので買った。


読み始めると、文章が少々良くないように思った。


読むのを止めようかと思ったが、少々我慢して読む。


内容は、広告ディレクターが
Webサイト中心で、バイラルマーケティング手法で、
ビール広告を作って大成功。
でも自殺者が出てきて、問題になり、
その自殺の理由を解明というストーリー。


初めに出てきた「バドバーグ」というビール銘柄。
どこのビールと思って、検索してしまった。
この本を読み始めた人が検索し、ブログ記事がヒットするだけ。


これは面白い現象。
何か使えそう。


自殺者が出たという段階で、サブリミナルだと思ったが、
これも使われていたが、自殺の直接原因ではない。


次にバックワードマスキングを使った曲とのこと。
これも自殺の原因ではない。


自殺者が20代の若者ばかりというヒント。
ただし、これも3名だけで20代ばかりというのは少々言い過ぎだが、
次の仕掛けは想像がつく。


それでも、これだけの仕掛けを次々と組み合わせての
推理小説としては面白い。
後半になると、何となく想像がつくが
面白い組み合わせの推理小説だった。


著者が元広告マンとのことで
これだけの組み合わせになったのだろう。


ただし、設定などが少々粗い。
登場人物をもっと工夫すると、素晴らしい作品になりそうだ。


でも楽しめました。



病原菌ウイルスはワクチン対策が昔からある。
セキュリティ対策は遅れてはいるが、コンピューター系ウイルスも進んでいる。


この手法は、確かに誰かをコントロール手法になりそうで、怖さがある。
しかし、この本にあるようなウイルスの可能性は、今後発生するのか?
少々気になるな。
人間の感情などの研究が進むと、
この辺の人間の感情をコントロールするウイルスも出現しそうだ。