ラティーノ・ラティーノ!―南米取材放浪記 垣根 涼介

この本は面白い。
但し、ワイルド・ソウル〈上〉〈下〉 を読み終わった人には。


この本、ラティーノ・ラティーノ!―南米取材放浪記は、ワイルド・ソウルを書くために、
垣根涼介さんが取材旅行に行ったブラジルとコロンビアの旅行記録。


ワイルド・ソウルを読んだ人は直ぐに判るが、
ワイルド・ソウルの話のネタが、この本のあちこちに出てくる。
こんなにバラしても良いのと思うほど、小説の材料が出てくる。


旅行自身は2002年春から数ヶ月で、
2002年8月から2003年12月までWebマガジン幻冬舎で連載されて、
この本に編集され直している。
ワイルド・ソウルは2003年8月の出版なので、
このネタの方が先に世に出たようだ。


旅行記なので当然、垣根さんのハードボイルド著作と書き方は全く違うので、
ハードボイルドを期待して読んではいけない。
しかし、普通の旅行記とも違っていて、
ブラジル、コロンビアの街とそこの人々のことが
垣根さんの感じたままに書かれている。
旅行記と言うよりは、その地の人々について語りたかったようだ。
コロンビアの街や田舎町について日本語で書かれた本も少ないようだ。


非常に楽しく、ハードボイルド作家のネタ本を読まさせてもらった。
作家は、このような沢山のネタを自分の想像でつなぎ合せて作品を書くようだ。