日本の経済停滞とITの使い方の示唆 ジェネラルパーパス・テクノロジー

ジェネラルパーパス・テクノロジー 日本の停滞を打破する究極手段 (アスキー新書 70) (アスキー新書 70) 野口 悠紀雄 遠藤 諭 (新書 - 2008/7/10)


日本のITは20年間進化していない──野口悠紀雄が語る http://ascii.jp/elem/000/000/151/151210/
を読んで、この本を知った。


本の主旨は、この記事でほぼ判る。
”80年代、90年代に日本のITが発達し、以後変わっていていないことが、日本の経済停滞の原因”
という指摘だろう。
日本、日本人、日本の社会が変化を嫌う、
しかしIT技術の進化に伴ってIT利用技術はどんどん変化していて、
日本の社会、仕組みが変化していない、
かたや、日本以外の国は変化していってしまっている。
ということが問題なのだろう。


本書は非常に面白く、興味深く読める。
指摘も正しいと思う。
残念ながら、というか当然というか、
日本が、日本企業がどうすべきなのかの回答はない。


ITと一口に言っても、
技術、機器設備、利用技術/手法とIT分野は広い。


日本ではADSLの普及などでブロードバンド普及が世界一だと言っていたが、
確かに便利にはなったが、IT活用までにはつながっていない。
日本は機器とかインフラとかには強い。
しかし最終目的の利用方法には弱い。
ハードに強くソフトに弱い。
政府や官僚、NTTなどが打ち出す施策も機器設備などへの対策が多い。


本書でNGNの意味が始めて判ったが、これも機器設備への対応で、
大昔からNTTの間違えた施策と同じ方向だ。
こんなことに大金を投資する無駄を省かないといけない。


この本でも言っているが、日本はITには向かないのかもとも思える。