視覚に訴えることが見える化

○ 見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み / 遠藤 功


どこかのブログだか記事で読んで知った書籍。
Amazonへのリンクから東京23区図書館検索経由で、
図書館で借りて読んだ。


企業活動上のあらゆる問題や事象を顕在化させ、「視覚」に訴えていくことこそが、「見える化」の本質なのである。

見える化」の基本は、相手の意思にかかわらず、さまざまな事実や問題が「目に飛び込んでくる」状態をつくり出すことである。「見える」という言葉を選んでいる使っているのには、そんな意味合いが含まれている。

との始めの章での説明で感心。
ぐっと引き込まれて読み始めた。


結構売れた本のようだし、その前の現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件という著作が可也売れた本のようだ。


以下気になった点
・計画達成のPDCA+問題解決のPDCA=ダブルループPDCA
Problem finging(問題発見)=>Display(見える化)=>Clear(問題解決)=>Acknowledge(解決の確認)
・5つの見える化のカテゴリー
・・問題の見える化
・・状況の見える化
・・顧客の見える化
・・知恵の見える化
・・経営の見える化
・小さな異常に気がついて対処することが、大きな異常を発生させない唯一の方策


沢山の事例をまじえながら、見える化の方法を説明していく。


しかし途中から少しずつ疑問も感じる部分がある。


例えば、経営の見える化と言っているが、
これは、自社の状況を経営者が把握できること、と、
社外に対して企業活動の実態を見えるようにすること、を指している。


しかし、長らく幾つかの企業で働いてくると、
社員として感じる一番の問題は、
経営者の意思が見えないことだ。
あれをやれ、これをやれ、という指示は
幾層かのマネジメントを経由して社員に伝わってくる。
しかし、何を目的にしているのかが不明な場合が多い。


教科書のような経営目標とか経営戦略を見るのだが、
そこから具体的な施策へのつながりが見えないことが殆ど。


ということで、「経営の見える化」とは
経営者の意思の見える化だと思っていた。


この辺りの話から、読んでいて少々疑問を感じ始める。


沢山ある事例の3割くらいはトヨタのケースで、
これは一般書籍にあるような話にも見えてくる。


沢山の事例があって、目くらましのようにも思えてくる。


全般的に素晴らしい話なのだが、
MBAを取ったコンサルタント
凄い努力をして、
自論の肉付けのために
沢山の事例を集めて、
まとめ上げた本、という感じた。
何となく、きれいごとを言っているようにも思える。


でも言っていることは正しいとは思う。
経営戦略、事業運営の参考にはなると思う。