50年前でもアメリカでの生活に慣れるには大変だった

◎ 俺様の宝石さ / 浮谷 東次郎


1960年に高校3年卒業前にアメリカへ留学してしまった浮谷東次郎の
2年半に渡るアメリカでの生活の記録。


家族への手紙とメモから構成された本なので、
始めは少々読み難いが読み慣れると面白い。


ロスアンゼルス到着からニューヨークへバスで旅行。
ニューヨークでは高校へ通いながらのバイト生活。
日本人の引っ込み思案から段々と自分の考えで行動するようになっていく様子。


運送屋のトラックに便乗してカリフォルニアへ移動。
ロスアンゼルスでも住まい、学校、バイト探しでの苦労の様子。
大学、生活を通して、ドンドン、活発な青年に変化していく。


バイクで再度ニューヨークへ移動。
すっかりオープンな性格に変わってしまった東次郎に驚くニューヨークの友人達。


再度バイクで西へ向かう。
コロンバスで大学を探すが上手く見つからず。
セントルイスで再度バイク屋でバイト。
ロサンゼルスへ戻って、元の生活を作り出そうとするが、
今度はコロラド・ボルダーへ移動したりと、
2年半のアメリカ生活をエンジョイしている様子、変化していく様子が良く判る。


1ドル360円時代での物価の違い。
バイトの自給が70セントから2ドル程度。
今の物価の感覚とは大違い。



谷東次郎なんて知られていないだろうな。


このアメリカから帰国後、
日本で自動車レーサーとなって活躍した有名な人。
カラスとあだ名された真っ黒のホンダS600で凄い走りだったそうだ。


自動車レースが好きになりだした頃に、
レース雑誌で読んだことしかなかった。
当時はスターだった生沢徹より早かったとの話など、伝説的な人。
カラスはホンダS500だと思っていたが、
この本の巻末の略歴ではS600となっている。