新しい海外旅行の実験 格安エアラインで世界一周

◎  格安エアラインで世界一周 / 下川 裕治


本屋に平積みになっていて、思わず買ってしまった。
この著者は、昔から格安航空券などで世界一周の本などを書いていた人。


本書の始めにも書いてあるが、”格安航空券”と”格安航空会社”は全く意味が違う。


格安航空券とは、元々高過ぎる航空券を売りやすくするように、
海外旅行では、団体のためにホテルなどとセットにしたパッケージツアー用の
団体用航空券をバラウリする方式。
本来は航空券+ホテル+現地観光案内などをセットにしたパッケージツアーのための
航空券なのだが、売れ残りなどのために、
この団体用航空券をバラウリしたもの。


格安航空会社はLCC(Low Cost Carrier)などとも呼ばれる、
元々の航空運賃が安い航空会社。
昔から、航空運賃はIATAという航空会社の団体で世界的な協定航空運賃だった。
昔からカルテルと言われていたが、
それでも協定運賃でないと会社の経営が出来ないなどという理由で、
高い運賃を維持していた。


アメリカのサウスウエスト・エアラインなどの出現で、
アメリカ国内から安い運賃で運行する会社が増加。
サウスウエスト・エアラインは今では旅客数で世界一になってしまった。
かつ経営状況も結構良い。
他の大航空会社はツブレそうな位に経営状況が悪い中で。


このLCCがヨーロッパで多く出現し、アジアでも結構出てきた。


この著者は、関空からセブ・パシフィック・エアーという格安エアラインで
世界一周を始める。


格安エアラインを乗り継いで世界一周をするのだが、
格安エアラインは、予約状況などで運行を急に中止したりするが、
殆どの航空券は予約の変更出来ない条件なので、
次の航空券の購入タイミングが難しい。
インターネット予約なので、どこからでも予約は出来るが、
いろいろな苦労の様子が判る。


この旅行では、インターネット接続するパソコンは必須。
世界中をゆっくりと旅行するのならばいいのだろうが、
この企画は駆け足なので大変。
何日かかったのか明確でないが、寝る暇もないよな旅。
あちこちの国に行きながら、
常にホテル探し、ネット接続探し、
次の航空機の予約のためのインターネットへのアクセス、
など大変な旅。
金額的にはLCC分で16万円。
日本-米国間にはLCCがないので、5万円かかり、
合計で21万円。


ゆっくりと、あちこちへ旅行するには、良い旅行の方法のようだ。
この本を読んでいると、
2週間あればアジア地域だと安い金額で気ままな旅が出来そうな気がする。


しかし、今では、世界中、
どこに行っても何かしらネットつながる手段があるようだ。
特にホテルでは。



この著者の他の格安旅行の本
5万4千円でアジア大横断 (新潮文庫) 下川 裕治
12万円で世界を歩く (朝日文庫) 下川 裕治


これらの著作後に、著者は格安航空券の雑誌編集の仕事をしていたそうだ。
しかし、ネットでの情報氾濫のために、雑誌売れなくなって、廃刊。
ネットの影響は、ここまであるのか。