教育制度が日本人をダメにしている 知的思考力の本質

◎ 知的思考力の本質 / 鈴木 光司 竹内 薫


鈴木 光司さん、竹内 薫さんの二人の対談形式で
哲学、物理、数学などの重要性を中心に、
自分で本質から考えることの重要性、
現在の日本の問題を問う本。

最初から正解を覚えて、間違わないようにしてしまう。要するに、安定しか求めない。これで勉強ができたつもりになっていると、実践の場では全く通用しなくなる。つまり、前例がないときには、全く対処できなくなる。

会社でもマニュアル化の悪さを良く見かける。
IT業界でも、何でも詳細にマニュアル化しようとする、
全てを決めてしまって、決められた通りに実行しろという風潮になっている。
少々外れると、間違っている、ルール違反だという。


ここ数年、会社で規定類を作ることが多いが、
詳細に渡って規定しろと言う。
現場も決めることを要求する。
大枠を規定し、詳細は現場でと思っているが、これが通じない。
考えることを放棄しているのか、
責任を放棄しているように感じている。
SEと言う仕事は、昔は考える仕事だったのだが、
今ではルール通りに処理をしていく仕事になってきている。


私は、判断できない日本人、考えられない日本人と思っていること。
新しい形の仕事、少々違う仕事だと、
全く手が付けられない人ばかりだ。


私の感じていることと同じことを述べている部分が多い。


著者二人が、哲学、物理、数学などの幅広い知識を持っていることが良く判る。
これだけの知識を身に付けることは大変だと思う。


西洋と東洋の考え方を男性的と女性的考え方で対比している。
自分では狩猟民族と農耕民族の考え方、生活習慣違いだと思っていたが、
最後のほうで狩猟/農耕民族の対比での説明にもなっている。


鈴木 光司さんはオートバイでのアメリカ横断の本で始めて知った。
名前はリングなどで知っていたが、
この本を読んで、エッジ を読みたいと思い始める。


竹内 薫さんは、奇跡の脳 の翻訳者でもあるそだ。
この本も読みたい本の1つだ。