地方−政治家−官僚−企業−組合の馴れ合いの縮図

やっと日経ビジネス200.9.21号”JAL最後の審判”を読み終わった。


今までの報道をまとめたような特集だが,全体を見直すために読んだ。


今となっては,鳩山政権の
前原誠司国土交通相直属の専門家チーム「JAL再生タスクフォース」で
状況は全く変わってしまった。
しかし,地方−政治家−官僚−企業−組合の馴れ合いを垣間見るには良い記事。


この記事で読者を勘違いさせる,”最後の審判”。
最後の審判の意味が,民主党に変わっての審判なら判るが,
これだと最後でなく最初のだと思うが。
日航は,
12月にオペレーションのために1000億円不足するから借りたい
と言っているので,これで終わりとは言っていない。
来年3月には,また1000億円と言い出すのだと思うが??
だから最後ではないはず。


この記事には余り深く触れられていない規制問題。


国内航空では航空燃料税と空港使用料が非常に高く,航空会社の大きな負担。
これらの税が特別会計の財源となって地方空港に補填されている。
つまり航空会社から莫大な税金を取って,地方空港を維持しているが,
このおかげで航空会社は赤字になり,
政府が国民の税金を使って航空会社を助けることになる。
また静岡空港のように静岡−福岡間の搭乗率補償でまた航空会社への支払いになる。
これは静岡県の収入から支払われる訳だから,地方税からだろう。


このような地方空港自身は地元の強い要望を元に,
政治家を通して官僚に働きかけ建設されるのだろう。
結果,赤字路線を生み出す。
官僚が建設を進める理由が天下り先としての機能も持っているようだ。


地方空港が利用者の望む利便性を提供できない1つに
飛行範囲 3000キロの枠という規制もある。
3000キロというと日本の北から南までで,
地方空港では国際線を殆ど飛ばせない。
行っても韓国,台湾まで。
これも地方空港の足かせになっている。



"日本の食と農”を読んで判った,
消費者−官僚−政治家−農協−農家の馴れ合いの問題。
農業問題にも規制が絡んでいた。


日本ではあちこちに,このような規制,既得権に絡んだ問題が存在。
これらを壊していかないと,日本は変わらないだろうな。



しかし,JAL再生タスクフォースの産業再生機構のOBには,
全く違うMBA的な,ハゲタカの問題があるようだ。


いずれにしてもJAL問題は上手く行きそうもない。



最近は新聞は毎日見出ししか見ないし,
雑誌は殆ど読まないが,
こういうまとめ記事は読む価値があるように思う。
雑誌の生き残る道は,この辺ではないのか?



日本の食と農の1章に,他の産業の問題を追加すると,
現在の日本社会とか日本人問題を書き出せるように思うが。