新しい形の日本のエレクトリックジャズ?

電気スライム/後藤篤(e-tb)高橋保行(e-tb)池澤龍作(ds)@なってるハウス


以前から聞きたいなと思っていたグループ。
新宿PitInnの昼間のライブが多く,普段は聞きにいけない。


思ったとおりに素晴らしい音楽。


高橋保行さんがiPhoneで音を出し始め,
これにトロンボーンの音をかぶせ,
それに電気増幅させていく。
後藤篤さんが低音域の音を電気増幅させて攻めて行く。
池澤龍作さんは小さなタイコと沢山のシンバルンで
ドラムスというよりパーカッショニストという感じで,
おかず的にリズムを刻む。


昨日の宅さんもiPhoneを音源としていたが,
高橋さんは,iPhoneトロンボーンで音の入力して,
それを増幅してという感じの使い方もしていた。
いつものように光ファイバーのチューブのよう線を振り回したり,
iPhoneの画面に近づけたりしながら音を変えていく。


池澤さんの演奏は,グルーブなジャズというたたき方ではなく,
後ろノリとか前ノリでもなく,
ストレートにリズムを刻むが,
非常に気持ちの良いリズム。
常にバックのリズムをたたき続けるのではなく,
いろいろと変化したり,たたくのを止めたり,
急に倍速になったり,ゆっくりになったり,
リズムを変えたりと,
演奏の途中で完全にリードを奪う場面も見かける。


後藤さんは低音域中心。
殆ど電気増幅を使っているが,
時々生音での演奏も入れる。
これで,エレクトリックだけでなく”ジャズ”と感じれる。


池澤さんの演奏は非常に面白い。
ドラムセットも面白く,
小さなバスドラなど小さいドラムが多い。
スネア,タムタムは普通サイズだが他のタイコは小さい。
たたき方も,甲高いたたき方だが,
タイコの皮をたたいた直ぐにスティックをあげて,
また直ぐに次のたたきに入るために,
音が短く積み重ねられていく。
右手のシンバルンは,ナベブタのような音だが,
この音の入れ方が適切で,ジャンクドラムのような音になっている。


素晴らしいドラマーになると思う。


客も結構入った。
皆楽しんでいたようだ。
知り合いが多かったようだが,
私のようなジジイも3,4名いたし。


全く新しい音楽という訳ではないが,
新しい音楽の方向だと思う。


大昔,テレビのファッション番組,流行通信で使われそうな音楽だ。
この音楽に,
永いリズムでの低音のベースを後ろに追加すると受ける音楽になりそうだが。


少々問題かなと思ったのが,演奏時間。
ちょっと長い。
1時間も演奏すると客も疲れる。
もう少し短い演奏で良いと思う。


自分でファンクミュージックが好きなので,
この手の音楽が好きなだけなのかな??
他の客も楽しんでいたようだし,
楽しい音楽だったのだと思う。