怖いアメリカの企業中心政策 ルポ 貧困大国アメリカ

◎  ルポ 貧困大国アメリカ / 堤 未果


貧困から肥満が生まれて,問題になっているという話しは
どこかのサイトでも他の本でも読んだことがある。
しかし,こんなに酷いつながりがあるとは思ってもいなかった。


アメリカ政府の方針と企業の宣伝などの上手さなのだろう,
国民がドンドン貧しくなっていき,
病気になっても診察,治療も受けられず,
若者は希望を失い,
生活のために戦争に行き,
これが世界中に蔓延する,
という悲惨なアメリカ社会の現状なのだろう。


日本でも,同様な状況が始まってきているように思える。
この本を読むことで,
アメリカを中心にした現在の資本主義というのか物質主義の
問題点が判るような気がした。
多くの人で読むべき本でしょう。


以下はAmazon.co.jpから


目次
第1章 貧困が生み出す肥満国民
新自由主義登場によって失われたアメリカの中流家庭
・なぜ貧困児童に肥満児が多いのか
フードスタンプで暮らす人々
アメリカ国内の飢餓人口
第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民
・人災だったハリケーンカトリーナ
・「民営化」の罠
・棄民となった被災者たち
・「再建」ではなく「削除」されたニューオーリンズの貧困地域
・学校の民営化
・「自由競争」が生み出す経済難民たち
第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々
・世界一高い医療費で破産する中間層
・日帰り出産する妊婦たち
・競争による効率主義に追いつめられる医師たち
・破綻していくアメリカの公的医療支援
・株式会社化する病院
・笑わない看護婦たち
・急増する医療過誤
・急増する無保険者たち
第4章 出口をふさがれる若者たち
・「落ちこぼれゼロ法」という名の裏口徴兵政策
・経済的な徴兵制
・ノルマに圧迫されるリクルーターたち
・見えない高校生勧誘システム
・「JROTC」
・民営化される学資ローン
・軍の第二のターゲットはコミュニティ・カレッジの学生
・カード地獄に陥る学生たち
・学資ローン返済免除プログラム
・魅惑のオンライン・ゲーム「アメリカズ・アーミー」
・入隊しても貧困から抜け出せない
・帰還後にはホームレスに
第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」
・「素晴らしいお仕事の話があるんですがね」
・「これは戦争ではなく派遣という純粋なビジネスです」
・ターゲットは世界中の貧困層
・戦争で潤う民間戦争請負会社
・見えない「傭兵」
・一元化される個人情報と国民監視体制
・国民身分証法
・州兵としてイラク戦争を支えた日本人:「これは戦争だ」という実感