本当は音楽業界論 未来型サバイバル音楽論
◎ 未来型サバイバル音楽論
副題に”USTREAM、twitterは何を変えたのか”とあり、
読む前から判っていたのだが、
この本は”音楽論”を論じたものではなく、
”音楽業界論”の本。
自分で音楽が大好きになってしまったので、
音楽論という言葉は、音楽そのものの論だと、
何となく”こだわり”がある。
まえがきの始まりから
1990年代の尾w利に栄華を極めた音楽業界が現在、危機に瀕している。
となっているので、音楽ビジネス業界を論じている。
初期のジャズとかブルースミュージシャンが
音楽をビジネスにする人々にいいように利用された話を良く聞き、
自分で音楽業界へは余り良い感覚を持っていないので、
読み始めには非常に抵抗があった。
まえがきの次の文章は
長年音楽業界の市場規模は、社団法人日本レコード協会が発表する「オーディオレコード(CD、アナログレコード、カセットテープを合計したもの)総生産金額」がその指標とされてきました。
とあり、
明らかにコンサート、ライブ、教育などを含んでいない、
例示に使われるデータ。
だが、レコードは本来演奏のコピーでしかないのに、
音楽全体、または音楽”業界”全体の衰退のように使われることにも違和感。
まえがきだけでも非常に違和感。
1章は津田さん、牧村憲一さんの対談。
話の流れは同じようで、
1章で読むのを中断。
数週間後に読みを再開。
2章は牧村さんの過去のレーベルの話で、面白い。
3章は、また対談でライブハウスなどの歴史的な話から、
今の音楽配信(?流通)の話に移る。
4章は津田さんの文章で、
日本での贅沢品だったレコードからレンタル、CDへの変遷、
ネットでの著作権、ネットを利用して成功したミュージシャンの話。
5章は、また対談に戻って、
フェスティバルとか未来の音楽の話が主体になった。
私の好きなインプロなどという超マイナーな音楽には全く関係ないが
ポップ、ロック系の売れ線を狙う/狙える音楽の
過去、未来像として面白い本。
特に未来よりは、歴史的な話が面白い。
ということは、この系統の音楽の昔話は面白いし、売れると思う。
”未来型”と始まる書名だが、未来の話は意外と少ない。
あっても近未来。
UstreamとTwitterなどで如何に売るかという話にまとめると、これも売れそう。
でも、この系統では普通のマーケティング本になるので、
音楽を中心にして、売れた事例を中心になるのかな。
ということで、音楽業界論として、この本もお勧め。