納得の日本人の本質 日本辺境論 内田樹

◎ 日本辺境論


前から読みたくてやっと読んだ。
内田樹さんの本を始めて読んだが、読み難い。
難しい言葉が多く、突然カタカナの英語とか出てきて、
昔の学生運動の文章のようだ。


始めは読みにくかった、
しかし、段々と乗ってきた。


普通の国、国民は自分の国の理念とか成り立ちとかを理解している。
しかし、日本は違う。


昔から日本は韓国、インドシナ、蒙古などと同じ、中国の周辺国で
文化、文明、政治など全てが中国から影響を受けた。
これは日本流に変化していった国、国民。


自分で考えて何かを作り出す国でなく、
外部から持ってきて、それを学んで、自国のルールなどにしていく、
という部分に非常に納得。


日本人は何かを作り出そうとする人ではなく、学ぼうとする国民で、
これは長い歴史で身についた国民性。


以前から、”考えない日本人”が問題だと思っていたが、
この本を読んで、何故考えないのかは納得した。


但し、悪いことばかりではなく、
拠り所の変化への対応力はあり、
拠り所から取り入れたルール、考えなどの改善も素晴らしい。


この良い所は、昔から言われている戦後の日本の製造業の生き方と合致している。



最近の政府のもどかしさも、これが理由なのかとも思う。


会社で規定などを作っていて、
コンセプトだけを作って、大まかなプロセスを提示すると、
それじゃダメだ、プロセスを詳細化し、
例外ケースももらさず記述しないと、実行できないと言う。


それじゃ皆が考えなくなるだろう、
必要な時は自分で考えろというと、
皆が反対する。


必要な場合は、
目的を踏まえて、自主的に考えて、判断し、実行しろ
というルールが企業で通用しない。


でもこういう会社は伸びないよな。



この本の後半は、武士道とか日本語の独自性の話になってくる。
少々始めの流れと変わってくるようだが、内容は面白い。