少々違う感覚 たまゆらの愛

◎ たまゆらの愛


亡父親の個人美術館の館長として静かに暮らす中年男が
20年ぶりに恋に落ちる話。


題材はいつものような藤田さんの作品。
でも、普通は職人的な職業が多いが、今回は美術館の館長。


話も割りと淡々としている。
今まで読んだ本はもっと艶っぽい話が多いが、
意外とさらっとしている。


藤田さんも歳で、作風も変わりつつあるようだ。


中盤までは、ゆったりとした話だったが
後半は一気に悲劇に向かっていく。


道ならぬ恋、不倫がばれて、恋が終わると思われたが、
悲惨な結末になる。


藤田さんの作品で、こういう結末は読んだ記憶がない。
自身の年齢に近い作品が多く、
年齢とともに作風も変わっていくのだろう。