作風が変わったのか、中年の恋話と推理小説の合体 老猿

◎  老猿


先日の自炊代行業者の訴訟原告に名を連ねていて、
もう読まないと思っていたが、
藤田宜永のこの本を図書館で借りてしまった。


軽井沢の奥地に住む、60歳の元実直ホテルマンと
怪しい過去を持つその隣人と
居候になった中国人女流彫刻家の話。


また例によっての、中年の恋話かと思っていたが、
この話は少々違う色が出ている。


永年実直なホテルマンだった60歳の男性が
恋をして、それにも敗れたが、奥さんにばれて離婚し、
軽井沢の奥地のなくなった父親の隠れ家に住む。


奥地なので、冬には人は殆ど住んでいないが、
隣には怪しい過去のある老人。
向かいの別荘主人の愛人だった中国人女性と生活を始める。


二人の過去、関係からいろいろと事件に巻き込まれる。



藤田さんの作品は、
いくつかの種類あるようで、
探偵物とか中年の恋話を読んだ事がある。


私の好きなのは、中年の恋話で
いくつか作品はあるが、
毎回職人的な職業と恋話がからむ。


この作品は、中年の恋話と探偵物が合わさった作品で、
非常に面白いと思った。


藤田さんの作風が変わりつつあるのかとも思う。
お薦めの小説です。