[自分史」初めてのコンピューター IBM 1130

初めてコンピューターと付き合ったのは,
大学の授業だった。
1971年だろうな。


理工学部機械工学科だったので,
コンピューターと付き合わざるを得なかったのだろう。
でも未だ当時はコンピューターは珍しい時代で,
パソコンなんかなかったし,メインフレームも始まったばかりだった。


コンピューター概論と実習。
大学にあったIBMの1130での実習だった。
始めて見たコンピューターだった。
でも興味もなかった。


実習では、Fortlanでコーディングシートにプログラムを書き出し、、
パンチカードにそのプログラム打ちこむ。
多分つまらないプログラミングだったんだろうな。
それでも何とか課題を完成させた。


友人が私のプログラムをコピーして提出し,
私がコピーしたと判断されて,成績は悪かった。
でもコンピューターには全く興味がなく,どうでもよかった。


3年生になって,研究室に割り振られ,構造設計をするグループになった。
構造設計のためには,コンピューターの利用は必須で,
夏休みに先輩からコンピューターの特別講義を受けた。
1週間ほど、研究室での講義だった。


2年生の実習では,全く理解していなかったプログラミングを,
ここで初めてコンピューターの仕組みを理解できた。


この講義の成果が、最終的に自分の職業になった。
この先輩には感謝でいっぱいだ。


4年生で3人組での卒論。
一人は実験,一人は論文作成で,私はプログラム担当になった。


有限要素法でプログラミングした構造計算が本格化した。
大学の古いIBM の1130という教育用コンピューターでのプログラミングだ。
これが私の始めての本格的なコンピューター・プログラムだった。


先輩にくっついて,大学のコンピューター室なるところで,
実際に自分でオペレーションもどきもやった。


この当時のコンピューターには,OSもなかった。
IOCSというInput Output Contorl Systemという
入力と処理と出力だけをつかさどる簡単なシステムだったようだ。


プログラムとそのコントロールカードをカードリーダーに入れると,
ゆっくりとカードを読み,コンピューターが指示を実行する。
モニターもなく,小さい文字が横一列に表示されるディスプレーだったと思う。
カードリーダーもゆっくり,ゆっくり読み込むタイプだった。


コンピューターもゆっくりした時代だった。


有限要素法での構造計算は,何とかこのコンピューターで実施できた。
随分早い時期に完成してしまい,卒論の担当だった助教授に終わったよと告げると,
大変なことになった。


今度は最適設計をしろとの命令。
要するに,有限要素法で計算した結果を軸に,
その周りに線形計画法でプログラムをグルグルまわしての
最適設計をすることになった。


いよいよIBMの1130では実行できない大きなプログラムになってしまい,
当時の巨大コンピューターの仕組みだった,東大のコンピューターセンターでの処理になった。


当時は,実施にセンターにカードを持っていかないと,
処理ができない形態だった。
ここで私のIBMの1130の利用は終了した。


論文は期日までに完成した。
機会学会学生論文として発表した。
有名な教授達の前でのプレゼンだったが、
有限要素法、線形計画法など自身が最先端の計算方法で、
教授連からは何も質問が出なかった。
多分、何も判らなかったのだろうな。



参考:
IBM 1130 @ 日本語Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/IBM_1130
・All about the IBM 1130 Computing System(英語) http://ibm1130.org/


・作成:2011/2/16 更新:2011/5/10、2012/3/23 QuietWriteから移動、修正して公開