コミュニケーションの技術 五感で磨くコミュニケーション

○ 五感で磨くコミュニケーション (日経文庫)


著者の平本 相武さんのフセンで考えるとうまくいく:頭と心が忙しい人のための自分整理術22を読み、考えのまとめ方/方法論が素晴らしく、
著者の考え方などを知りたくて、図書館で借りて読んだ。


コミュニケーションには言葉だけでなく、いろいろあるとの説明。
非常に参考になった。
図書館への返却日が近いので、とりあえず、気になったポイントのメモ書き。


16ページ

コミュニケーションの影響度(図)
①ボディランゲージ    55%
 (身振り、姿勢、表情・・・・・・・・・・・・)
②口調、呼吸のペース   38%
 (声のトーン、スピード、高低・・・・・・・・)
③話の内容         7%
 (ことば)

言葉自身よりも、話し手の様子、声調子の方がコミュニケーションに影響するとは。


29ページ

自分が体験したことはきっと他人も同じように体験し、自分の見ているものはきっと他人も同じように見えていると考えてしまうのです。

これは自分でも実感しているし、他人にも常に言っていることだ。


31ページ

自分の考えを正確に伝えようと思うのなら、抽象的な言葉で終わらせないで具体的な出来事に落とし込むことが必要となってきます。これも、人は全員、見方も体験もものの考え方も違うのだという前提に立つことから始まります。

永年単一民族だった日本人には、この辺が難しい。
一言えば十判る、と言うのが、今までの日本人。
百言って、十判ってもらえる、のが世界的には普通のようだ。
日本人が世界で仕事をするためには、この辺の感化が重要。


42ページ
NLP神経言語プログラミング:Neuro-Linguistic Programming)
著者は心理学とかNLPを勉強し、現在の仕事につながっている。


44ページ

人間とは、目、耳、肌、鼻、舌から入る情報に意味づけをする際に、その一夜順番を変えるだけで、体験が変わるのです。これは言葉の使い方でもいえることです。たとえば、「やせたいけど、食事量を減らせない」と言う場合。ここには、無意識のうちに「食事量を減らせないと、やせられない」という前提が含まれています。だから、どうしても食べる量をへらせない人にとっては、やせることは実現不可能におもえてしまうのです。「食事量を減らせない」けれど、「その上でどうしたらやせられるか」という方向に意識が向きやすくなります。・・・・言葉の順番を変えるだけで発想が変わるだけでなく、その後に導き出される結果まで変わってしまうのです。

これは、心理学、脳の機能などの本でも、同じような話を読んだことがある。


48ページ

人は現実の相手と刻々と付き合っているわけではなく、自分の思い込んでいる相手と付き合っており、そしてこれが、しばしばミスコミュニケーションの起こる原因ともなります。



60ページ

ラポール(概念)とそれを実現するマッチング(図)
ラポール(信頼関係)
  マッチング
    ミラリング・・相手と姿勢や動作、表情が合っている
    ペーシング・・相手と口調や呼吸(息)のペースが合っている
    バックトラッキング・・相手の言葉を繰り返す
    モダリティの一致・・相手の視覚、聴覚、体感に合っている

相手と信頼関係を築く技術


79ページ

「あの上司、いい人なんだけど、一緒にいると疲れるよね」と言う状態に陥ってしまうこともあります。それは個性の強い人が、知らず知らずに自分に合わせることを強要してしまって、相手を疲れさせているからなのです。



84ページ

無意識的無能から無意識的有能のレベルへ
 無意識的無能:「できない」と言うことを知らない
  意識的無能:「できない」と言うことを知っている
   意識的有能:意識すれば「できる」
    無意識的有能:意識しなくても「できる」

これはスキルとか何かの技能を潜在意識でできる状態まで上げていることが必要、という図式かな?


95ページ

利きモードによって違う情報の受け取り方
人は、視覚、聴覚、体感の、三つのどれかの傾向を持っています。これは純然たる区分けではありません。ちょうど右利き、左利きの関係と一緒です。右利きの人は、左手をいっさい使わないかというと、そんなことはないですよね。



94ページ

視覚傾向
・・この傾向には早口の人が多く見られます。自分が見たものは、全部説明しようとします。人は、80%の情報を目から得ている



95ページ

聴覚傾向
・・一貫した論理が大事です。この傾向の人の頭の中には自分の論理があります。・・・・論理の組み立てがあるので、そうした論理を吹っ飛ばして「理屈抜きでやってよ」と言っても通用しません。



96ページ

体感傾向
・・つまり、触覚、嗅覚、味覚に敏感な人は、雰囲気重視の人で、グーッと来たら、パーッとやればいいとか、カーッとなった時にはフッとこうするなどの、擬音語・擬態語を多用する特徴があります。



112ページ

目の動きを見れば、相手が今戸の感覚モードでいるのかを推量することができる・・目が、上方を向いている場合は、頭の中で何かを思い描いている。



113ページの図から、目の位置が
右上:視覚構成
右横:聴覚構成
右下:体感覚
左上:視覚想起
左横:聴覚想起
左下:内的会話


116ページ

コミュニケーションを進めていくと、人は、どんどん感覚鋭敏になるか、思考に走るかのどちらかに分かれます。・・・今この瞬間に見えるもの、・・そして聞こえるもの、・・・さらに座っている椅子の感触、指先に感じるコップの冷たさ、といったものに五感のすべてがフルに働いていると、思考はなくなります。・・・瞬間瞬間100%五感をつぎすませていると、思索する余裕はなくなる・・



134ページ

100%信頼されると、最終的に人間は相手を裏切れなくなります。
ところが、これをテクニックとして「こういうふうにいえば、よそ買いできなくなるな」と、計算づくで行うと、相手にもこちらの手の内が透けて見えます。だから無条件の信頼というわけです。



156ページ

相手に要求を伝える4つのパターン
・・・・4つのパターンとは、非主張的な「遠慮」の言い方、復讐的な「嫌味」な言い方、「攻撃的」な「責める」言い方、アサーティブ(主張的)は、「納得」の言い方です。



157ページ
良好なコミュニケーションの「言葉」の図から

1.アサーティブ(主張的)な言い方
 (1)冷静に(2)わかりやすく(3)はっきりと
2.あなたメッセージよりわたしメッセージ
 課題の分離・・相手の課題と自分の課題を分ける
3.事実と意見の区別
 事実言葉(客観的事実として言う)ではなく
 意見言葉(主観的意見として言う)を使う
4.相手の考えや気持ちを言い当てない、読み取らない
 解釈/批判/同情/支配などをしない
5.批判しないで反対意見を言う
 「間違い」ではなく「違い」として主観を言う
6.肯定的なところに気づき、自分の気持ちを言葉にする
 自分の気持ちを相手に伝える



176ページ

コミュニケーションの様々な切り口を通して、人は一人ひとりみんな違うということ、そして、違うことがコミュニケーションの意義であり醍醐味でもある・・・・・・・・・・・・・・・
実は、この「人は一人ひとり違う」と言う前提に立つことで、誤解やトラブルを回避できるだけでなく、そこから生まれる利点も沢山あります。一つ目は、「わかっているはず」とか「こう思うはず」という「はず」をはずすことで、固定観念を持たずにまっさらな気持ちで相手を理解しようとします。二つ目は、人と違うからといって自分を否定する必要もないし、自分と違う価値観を持つ他人も否定する必要もない。つまり、自分と相手の価値観や思いをどちらも大事にできます。三つ目は、一人ひとり違うからこそ世の中が上手く行くということ。人はそれぞれ、できること、得意なこと、やりたいこと、欲しいものが違います。だからこそ、自分のできないことをできる人に協力してもらったり、自分の得意なことで誰かの役に立ったりします。・・・・・四つ目は、人とつながる喜びが増えます。なぜなら、同じ思いを持っていて当たり前という前提でいると、何かずれが起きた時に落胆します。・・・違うという前提に立つと、違っていて当たり前、もしほんの少しでもわかりあえたり教官しあえたりしたときには、喜びが生まれ・・・・・・・・・・・・



184ページ

アンソニー・ロビンスは「人生の質はコミュニケーションの質に等しい」といっています。



一読、お勧めの本でした。



もう一冊借りて読んだが、こちらの内容は、まあまあかな、という感じだった。


すぐやる!すぐやめる!技術

「行動を起こす」ことにフォーカスしてまとめたものが本書です。

とあるように、
気張って、完璧に物事を実行するのでなく、
気楽に始めることで、気楽に中断することで、
行動を起こせる、という話。


参考になったが、まあまあの内容かな。