福袋購入行列での中年が遭遇する事件 喜の行列 悲の行列

○ 喜の行列 悲の行列 上 (講談社文庫)
○ 喜の行列 悲の行列 下 (講談社文庫)


この本を、前から知っていたが、ブックオフで108円だったので購入。
久々の藤田宜永さんの小説。


藤田宜永さんの作品で好きなタイプの艶話ではなく、探偵物に近い話。


60歳で定年を迎える直前の中年男性が、
奥さんと娘さんからの無茶なお願いで
デパートでの正月の福袋購入での2日間に渡る徹夜行列をする。
その間に、二つの事件が関連して、関係者が複雑に絡んでくる。


行列に並ぶ人々の人間模様、段々と親しくなっていく様子、
その背後に抱える各人の問題など、
それぞれの絡みが面白い。


少しずつ解き明かされている謎の流れなど
いつもの藤田さんの淡々とした語り口も良い感じ。


探偵物、艶物とは少々違う藤田宜永作品で面白かった。



喜の行列 悲の行列 上 (講談社文庫)
喜の行列 悲の行列 下 (講談社文庫)