久々の藤田宜永の艶話 邪恋

◎  邪恋 



久々に藤田宜永さんの艶話を読んだ。
もう全て読んだと思ったが未だ残っていた。
いつもは文庫本で読んでいるが、今回はBookoffで発見した単行本。
いつも通勤の電車内で読んでいるので、
500ページにもなる単行本は重い。


藤田宜永さんの艶物は、いつも主人公は職人的な仕事をしている。
今回は”義肢装具士”(ぎしそうぐし)という義足などを作る仕事。
子供のときの母親の冷たい関係から、醒めた部分を持ちながら女たらしの中年男の義肢装具士が、
片足をなくした大会社創業者の息子の奥さんの義足を作って、恋になる。
現在の愛人、その兄で主人公の長らくの親友、自分の妻、恋の相手の旦那、その妹
などが絡んでの艶話。
最後は周りの女性が全て去ってしまう。
まあ、藤田宜永さんの艶話の、いつもの流れのような話。


冷たい母親との幼児期の体験、
複雑な女性関係、それでも醒めた女性との付き合い方など
藤田宜永さん自身の経験なのかなと思う。


この作品も面白く読めた。
文庫本版 邪恋 の方が持ち歩きやすくてよさそう。



参考:
義肢装具士 @ Wikipedia