日本人への問いかけ 日本の食と農 危機の本質

◎ 日本の食と農 危機の本質


カトラー:katolerのマーケティング言論のばらまき補正予算の影で進行する日本農業の緩慢なる死を読んで、
この本を図書館から借りて読み始めた。


農業や農業行政への問題提言と思って読み始めるが、
始めから違っていた。

本書の目的は、食と農という、誰もが知っているはずの身近な問題を手がかりに、日本社会が陥っている集団的誤解を衝くころである。前掲の佐伯氏・山口氏が内政・外政一般から迫る鳥瞰図的アプローチであったのに対して、本書は、食と農から日本社会全体を見上げようという蟻の目からのアプローチとでもいえよう。

ということで、
食と農という観点から消費者(日本人)自身、政治、行政、マスコミなどへの問題提起。


食の面からも、便利さの追求が日本人の怠慢と無責任さになっているとの指摘。
便利さの追求というのは、物質社会が行き着くだろう
安くて便利な製品、サービスを享受する社会の問題にもなっているように思う。
インターネットの便利さなども、便利さの裏側に問題もあるのだろうな。

序章 日本の食と農
第2章 食の議論の忘れもの
第3章 迷宮のJA
第4章 農地と政治1(農地問題の構造)
第5章 農地と政治2(農地政策の行く先)
第6章 企業の農業参入?
結章 明日の食と農を見据えて

という目次で、260ページもの本。


序章、第2章までは難なく読み進むが、
第3章辺りから段々と専門的になってくる。
その内に他に読みたい本も出てきて、
4章途中で読みが止まってしまった。
図書館からの貸出期限2週間が経過してしまった。


大学の教授が書いた本なので少々固いのかもしれない。
娘の大学の教授なので、何か機会があれば、講演会などで話を聞いてみたいものだ。
しかし、農業経済学などという分野があることも知らなかった。


内容的には非常に素晴らしい本なので読み切りたいが、
今日で図書館へ返却し、また借りて読みたいと思っている。


この書名で検索すると沢山の人が絶賛していることが判る。
但し、3章以降が少々専門的な話が増えてきて
少々難解というか知らないことで理解が出来ない部分などがある。
大元の意図に戻って、日本人の問題に焦点を絞って書くと、
誰でもが読める、皆に問題提起できる書籍になると思う。


とは言いながらも、現状のままでも、
この本は多くの人が読むべき本だろう。
序章お2章だけでも読む価値は非常に高い。


3章以降は政治、行政、農協、農家という日本の仕掛けについてで、
今まで知らなかった農業と政治のカラミだ。
いまだに零細農家が生き延びている理由などが判る。
都会にもある農地の理由も判るし、何となく日本と言う国に生きていて切なくなる。