アジアからアメリカへ,古代から現代へ,超大ロマン 楽園

◎  楽園 (新潮文庫) (文庫) / 鈴木 光司 (著)


リングとからせんで鈴木光司さんの名前を知ったが,
ホラーとか怪奇ものは好きでないと読む気もしなかった。


アメリカ大陸横断の本を探していて,地球を走る―アメリカ横断オートバイ旅行記 を読んで,
あれこの著者はと思ったの最初に読んだ鈴木光司さんの著作。
この本の中で,雨で砂漠に突然できる湖,地底湖などを楽園で使った
という話から興味を持って読んだ超大ロマン。


古代の蒙古からベーリング海峡アメリカに渡ったモンゴル族
南太平洋へ渡ったモンゴル族
それらの子孫がインディアンとしてアメリカで再会。
それも祖先が書いた鹿の絵が切っ掛けになる。


蒙古民族の流れとか,南太平洋・アメリカの歴史など
多くの知識があって,書き上げられる作品だろう。
著者の鈴木さんの幅広い知識を駆使した作品なのだろう。


水(海,湖など),地震も何箇所かで大きな役割を持っていて,
人間,著者の水への思い,地震への怖さなどを感じるが,違うかな。


これだけ時間,地理的広大さの材料を使えば,
もっと壮大な小説にもなったような気もする。
思っていたよりも,意外と小さくまとまっているのか,
途中のハショリをもっと埋めると,壮大さが増すようにも感じる。


この楽園もお勧めだが,地球を走る―アメリカ横断オートバイ旅行記の方が好きかな??
これは,実話と創作の違いかな?