雲ながれゆく

◎  雲ながれゆく


池波正太郎を読むのは3作目。


たまたまだったが、先日読んだ秘密 で、主人公の片桐宗春の診察で病気が全快するのが、
この本の主人公お歌だった。
何だか連続で読んでいるように思える。
執筆は逆の順番だったようだ。


江戸時代の商人の子供として生まれた女性の波瀾に富んだ人生の話。
だが、実際にこんなことがあったとは思えない。
そんなに甘い世の中ではなかったのではと想像している。
池波正太郎の創造の世界の話のだろう。


池波正太郎は女性よりも、男が主人公の作品が多いそうだ。
確かに時代物では女性が主人公は知らない。


他の池波正太郎時代物小説と同じように、
地名から今のどの辺りかも想像でき、
当時の様子が目に浮かぶような話しっぷり。