自由が一番という考え方 エ・アロール―それがどうしたの

◎ エ・アロール―それがどうしたの (角川文庫)


題名の”エ・アロール”というのは、
フランス大統領だったミッテランが隠し子事件で
記者に質問されたときに、言った言葉だそうだ。
政治には直接関係ない、個人的な話だということ。


渡辺淳一さんは、年寄りだから、
おとなしくしていろとか、
色濃い事は止めろとか、
油っぽい食事はしないものだとか
型にはめないで、自由に生きようよ、
特に老後は、という考え方。


渡辺さんの作品には、凄い文章、物語の艶物が多いが、
この手の作品もいいようだ。
誰かの渡辺さんの作品の解説で、
艶物、医療物、何ももう一つあると説明していたと記憶している。
多分この手の種類なのだろうな。


医者の主人公が親の遺産で
銀座に”ヴィラ・エ・アロール”という高齢社住居施設を作り、
運営している。
医療機関も併設して、自身で医者、経営者として仕事をしている。
そんな施設での、入居している高齢者の生活を描いた作品。


途中で、だらだらと話が続くような感じで読むのを止めようかと思ったが、
読みきってみると、年取っても、年取ったからこそ、自由に生きようよ
という考え方の同感した。

一般に、年齢をとると、高脂質で高カロリーの洋食はよくない、といわれているが、栗栖は必ずしもそうは思わない。たしかに和食のほうが脂肪分は少ないが、替わりに炭水化物が多くて肥満のもとになるし、七十歳を過ぎたら、むしろ肉やハムなどを食べる人のほうが、和食だけの人より、肌艶もよく健康そうである。