渡辺淳一

家庭をかえりみないサラリーマンの行方 孤舟

△ 孤舟 渡辺淳一さんの作品ということで、 また定年後の色っぽい話かと思って読み始めてが、少々違っていた。 主人公は、一流広告代理店で常務執行役員だったサラリーマンが60歳で定年退職し、 趣味もなく、やることもなく、友人もなく、 家庭でサラリーマン…

自由が一番という考え方 エ・アロール―それがどうしたの

◎ エ・アロール―それがどうしたの (角川文庫) 題名の”エ・アロール”というのは、 フランス大統領だったミッテランが隠し子事件で 記者に質問されたときに、言った言葉だそうだ。 政治には直接関係ない、個人的な話だということ。 渡辺淳一さんは、年寄りだか…

女性にゆれる中年男の心 ひとひらの雪

○ ひとひらの雪〈上〉 ひとひらの雪〈下〉 久々に渡辺淳一さんの本を読んだ。 奥さんと別居中の45歳になる、名を成した建築家が自分の事務所の女性、人妻と付き合い、 結局は皆と別れてしまう、と言う話。 他愛ないような話で、 少々情けなくもあるが、 心理…

自立している女性の話 メトレス 愛人

◎ メトレス 愛人 著者渡辺淳一で題名がメトレス 愛人、ということで読み始めたが、 内容は自立してる女性の話。 50歳の会社社長と5年間の不倫関係の 仕事もでき美人で自立した33歳の女性が主人公。 殆どの友人も結婚し、独身の女性の友人は2名だけ。 親も周…

女性の目からの恋愛物 夜の出帆

◎ 夜の出帆 48歳の書けなくなった作家と同棲している29歳の女性が 勤務先の社長とも関係を持つようになっていく話。 渡辺淳一の作品としては,性的描写はほとんどなく, 二人の男性の間を揺れ動く女性心理の描写。 珍しい書き方だなと思ったら, 197…

女性心理を描いた小説 夜に忍びこむもの

○ 夜に忍びこむもの 渡辺淳一の艶物と思って読んだが, 意外と中身は女性の心理的な話が強い。 安定した企業の跡取り婿が,不倫中の女性から妊娠を告げられるが, 実は妊娠ではなく,不妊症の女性・・・という話。 艶っぽい場面も殆どなく,妊娠出産という女…

化身 / 渡辺 淳一

△ 化身〈上〉 化身〈下〉 50歳過ぎの離婚した中年男の25歳くらいの若い女性との恋話。 以前読んだ渡辺淳一の”うたかた=>失楽園=>愛の流刑地”の流れの小説か と思って読んだが,この流れまでは行き着いていない。 一度,上巻の途中で読むのを止めたが, …

3部作のように感じた うたかた / 渡辺淳一

◎ うたかた 渡辺 淳一 また渡辺淳一の本を読んでしまった。 以前は何となく好きでなかったが、愛の流刑地を読んで考えが変わった。 その後、失楽園も読んだ。 この”うたかた”も、愛の流刑地、失楽園と登場人物、話の流れが似ている。 執筆年代的には、うたか…

素晴らしい情愛小説 失楽園

◎ 失楽園〈上〉 (角川文庫) 渡辺 淳一 ◎ 失楽園〈下) へそ曲りだからか、ベストセラーとか話題の小説は全く読まない。 まして、この小説は映画化された時の、エロチックシーンが評判になって、 全く読む対象の小説ではなかった。 小説は殆どハードボイルド…

常識的生き方の問題を指摘 愛の流刑地

◎ 愛の流刑地〈上〉 ◎ 愛の流刑地〈下〉 渡辺淳一さんを殆ど読んだことはなかった。 失楽園とか化身での映画化で、エロさばかり強調されていて、 何となく読む本とは思っていなかった。 先日読んだ、自身の話という 影絵 から興味が出てきた。 上巻は、書け…

男の子の成長過程を性的な面から語る 影絵

◎ 影絵 / 渡辺 淳一 (著) 著者の自伝的小説となっていたので読んでみたくなった。 5歳の子供が大学生で大人になるまでの、 性的な成長を書いた小説。 最後は初体験場面で終わる。 男の性的な成長は、誰でもが同じような過程を通ってきているようだ。 自分で…