真夏の島に咲く花は
真夏の島に咲く花は
これもハードボイルドではない。
フィジーで暮らすフィジー人、日本人、インド人などの
高校時代の同級の若者を中心にした話。
フィジーのゆっくりとした生活。
しかし、そこにも物質社会ができ、
フィジー人の感性も変わっていく。
クーデターを通して、変わってしまった感性が事件を起こす。
現在の自分の生活でも、
物質社会、何かものがないと生活できないと思っている社会、
には疑問を感じている。
何となく共感を覚える主題の作品。
しかしフィジーは良さそうだ。
行ってみたい、暮らしてみたい場所のように思える。
でも東京のような刺激の多い場所で暮らしている自分には、
フィジーでの暮らしは長くは難しそう。
垣根さんの作品では、
やはり海外の話を主に置いた作品の方が面白い。
主題は常に現在の日本の状況への疑問のようだ。
この作品でも、やはりエピローグがある。
10数ページに渡るエピローグ。
このエピローグは、面白かった。
何時ものような詰らない落ちになっていない。
作品を書くためには、可也の調査をしているようだ。
フィジーの言い伝えのような話が元になっている。
真夏の島に咲く花は