ゆりかごで眠れ

ゆりかごで眠れ


久々に読むコロンビアの話。
部下を裏切らない日系2世がボスのコロンビアマフィアの話。
日本支社で警察に捕まった部下を助けにボスが来日。
2年前からボスの幼女になった6歳の少女、部下を捕まえた警察官、
それらとからむ元女刑事などを、
部下奪回の話を軸に、
各人の話、昔話などを交えて展開していく、
垣根さんの何時もの切れ味の良い作風。
読みながら、クールな興奮感を感じる。


しかし何時もながら最後が付け足しの感じがする。
最後の数ページ、タイトルがエピローグ。
車でホテルへ帰った日系ボスが、ホテル前で、
部下の情報を警察に流したので痛めつけた、
敵対していたグループの下っ端に指されて死ぬ。


ワイルド・ソウルでも最後に付け足しのようなエピローグがある。
それまでの、爽快なハードボイルド感覚にひたって読んでいたのが、
このエピローグで全く違う方向へ持っていかれて、
ハードボイルド感が打ち砕かれる。
この辺が、垣根さんの作風の好きでない部分だ。


2006年4月出版の垣根さんの9作目のようだ。


後2作:
サウダージ
真夏の島に咲く花は