ある家族葬の記録

一生に1回か2回遭遇する可能性のある葬儀の喪主として参考になるかと思って,
この文章を公開しようと思って作成した。


1つの葬式に必要な項目,注意,費用などの参考になればと
思って書いています。


8年間意識の戻らなかった母が亡くなり、
狭い自宅で親戚だけで葬儀を行った。
一般には家族葬と呼ばれているようです。


自宅で葬儀をしたおかげで,
葬儀場の料金,お手伝いの人々へのお礼などが不要なはずです。


時間的流れ


2011/3/7 12:20 死亡、 通夜


2011/3/8 葬儀


2011/4/24 49日、納骨


2011/5/2 介護保険証、後期高齢者医療証書(?)の返却


2011/5/20 年金証書の返却




費用


通夜,葬儀
・お寺へ 36万円(通夜,葬儀,初七日)
     5万円(49日)
・葬儀屋 :20.4万円
・火葬場 :8.5万円


食事  :18.5万円
・通夜  4.6万円 (13人分,仕出し屋寿司)
・初七日 7.7万円(19人分,仕出し屋)
・49日  6.2万円(16人分,仕出し屋)


香典返し:25万円


その他
・位牌 10,500円
・塔婆 3000円x4本=12,000円
・石屋 55,000円(納骨,墓への戒名の追記)


合計 120万円


お香典:70万円 50名から


葬儀は,簡単にしても120万円かかったということで,
お香典を差し引けば50万円で実施可能。



経緯


お袋は2003年4月にくも膜下出血で倒れ,
以後8年間,全く意識が回復していなかった。


初めの3年ほどは,例によってあちこち病院を転々としていたが,
幸いにして割と近い老人ホーム,特養ホームに入所できて,
5年ほど面倒を見て頂いた。


2011年3月4日(金)昼に,ホームからの連絡で,危ないとの連絡。
直ぐに駆けつけたが,このときは持ち直し,
後1週間か2週間は大丈夫かなと思われた。


近所の葬儀屋の息子が小学校の時の同級生で相談したが,
いろいろか形での葬式が出来るよ,
亡くなったら直ぐに連絡をくれればいいと言われ,
大した参考にはならなかった。


お袋の兄弟などには,危ない旨を伝え,
早めに会いに来たほうが言いと伝える。


2011/3/7(月)


3月7日(月)昼に再度危ないとの連絡。
直ぐに駆けつけたが,既に亡くなっていた。


2011/3/7 12:20死亡(死亡原因:老衰)


特養ナーシングホームには隣に病院もあり,
この病院の医師が死亡診断書を作ってくれていて,
ナーシングホームの担当者から渡された。


この死亡診断書は,
火葬,納骨,介護保険・年金などの処理でも必要。
コピーを取っておく必要あり。


特養ホームから直接火葬場へもとも思ったが,
8年間も自宅に帰っていないので,
せめて最後は自宅から送り出したいと思い直す。


葬儀屋は明日3時からの火葬場が空いているとのことで,
急遽,自宅で本日通夜,明日葬儀となった。


葬儀屋が15時頃にナーシングホームへ来て,
葬儀屋のバンで遺体を自宅へ連れ帰る。


寺にも連絡し,通夜,葬儀,火葬場,その後の法要もお願いした。
火葬場での火葬前のお経を頼むと,それだけで5万円といわれる。
戒名と法要がセット料金になっていて,
火葬場に行くか行かないかなどはオプションのようだ。


我が家の寺は少々格式が高く,値段も高いようだ。
良かったのは,キチット料金を言ってくれた点だ。


この寺だけなのか,どの寺もビジネス的に料金を言ってくれるのかは不明。


寺の費用は,葬儀屋でも知らなかった。
これもこの寺だけかどうかは不明。


法要の後の会食の場所は
寺で提供してくれ,仕出しの業者名も聞いた。
多分、仕出し業者から寺に何らかの支払いがあるのだろう。


仕出し業者へ明日の仕出しと大まかな人数などをお願い。
仕出しは高く,一人5000円ほど。


実際には,全て地元なので,寺も仕出し業者も全て知っている店,人。


葬儀は自宅で行うことにした。
非常に狭い自宅だが,親戚だけならば問題ないだろうとなった。


その後、葬儀屋が再度来て,装束などを整え,棺に入れる。
オヤジの部屋に祭壇が整った。
安い祭壇セットのようだが,結構立派。



写真は女房がスキャンして、
お袋の顔だけ引き伸ばした。
結構良い写真だった。
葬儀屋でもやってくれるが、これだけでも1万だか2万だか取られる。


この間に,お袋の兄弟,親戚に電話連絡。
急な話なので,田舎からは出席できない。


この時点で大まかな葬儀出席者数を確認して,仕出し屋へ人数を伝える。


18時に寺から坊さんが来て通夜。
出席者は家族のみ12,3名ほど


この時点で,坊さんが戒名を書いた半紙を持ってきた。
戒名は墓石,位牌に書き込むので,大切な用紙。


オヤジの部屋とつながっているリビング&キッチンにも一杯の参列者。
これで何とかなった。


19時頃に寿司を取って食事。
珍しく,坊さんは遅くまで残って,皆と話。
皆も話を出来て嬉しいとのこと。


坊さんへのお礼1万円


葬儀屋から,お礼は1万から2万程度,
食事を出さない場合は,食事代として5000円程度別に出す,と言われていた。




この時点で判ったこと


葬儀屋に頼めば,何でも仕切ってくれると思っていたが,
葬儀屋は葬儀と火葬場の段取りだけを担当している。
法要,お経などは寺と直接話す必要がある。
また,通夜,葬儀後の会食などは,
その会食会場で使っている仕出し業者へ直接お願いが必要になる。
石屋へも自分で直接依頼する。
位牌も自分で仏壇屋へ頼みに行った。




2011/3/8 葬儀


午後2時からの葬儀。


しかし朝から来てしまう親戚もいた。
従って,昼食も少々多めに用意。


14時前に坊さんが来て用意し,葬儀が始まった。


14:45頃出棺


葬儀屋から火葬場の人々へのチップを請求された。
9000円,領収書も渡された。


火葬場では、それぞれの場所の担当者がチップをありがとうと挨拶に来た。
これはどこの火葬場でも同じなのか??


お願いしてあった,マイクロバスで火葬場へ移動。
このマイクロバスだけでも,4万円。


15:30火葬開始


控えの部屋で少々飲みながら歓談。
これも金を取られる。


この時点で,予想外の親戚がやってきた。
仕出し屋さんへ料理の追加依頼。


16:30頃終了


寺へマイクロバスで移動し,17:00頃に寺で初七日。


18:00-19:00 食事:数の確定が難しい。
坊さんは参加せず,どちらでも良いそうだ。
多分,坊さんが参加すると,それだけで金を取られるのであろう。


19:00 帰宅,姉や妹家族も来て,21時まで話。


2011/3/9 支払い


葬儀屋、仕出し屋へ、支払いに回る。


寺へも支払い。
36万円の領収書を貰った。
これには通夜に坊さんに渡したお礼の1万円も含まれていた。


ついでに49日の日時(4/24 11:00)を決める。


石屋に墓石への戒名彫りなど,位牌も必要と告げられる。


これも知り合いの石屋へ墓石,納骨作業を依頼の電話。
石屋は戒名の確認が必要とのことで,戒名を書いた用紙をコピーしていき,
後日,漢字の確認のための用紙に確認印を押さされた。



葬式とは関係ないが、その後、3/11には、
東日本大震災があって、大変だった。
しかし、葬儀が遅れて、震災と重なったら、もっと大変だったと思う。


2011/3/18 位牌の購入


近所の仏壇屋で位牌の依頼


事前にネットで調べて,用意するもの,相場を調べる。
今ある位牌を持っていった。
同じ作りにする。
サイズ、表,裏面など書き方がいろいろとあるそうだ。


当然,戒名を書いた紙も持っていく。


店内にある位牌は4万とか9万とか結構な値段。
ネットで見たのは,1万円程度だったと話すと,カタログを持ってきた。


何も言わないと,数万円の位牌になったはず。


結局,7000円の位牌で,戒名の書き込みに3000円,となった。


出来上がるまで,10日ほどかかるという。


2011/3/23 墓石への戒名入れ


墓石への戒名の名入れの確認


石材店が,墓石に書き出す戒名の確認に来た。
認印まで取られる。


2011/4/3 塔婆の依頼


寺へ塔婆作成の依頼


塔婆3000円の本数,依頼者名を伝えるを電話で伝えるだけでOKだった。


喪主の塔婆も必要と言うことで,都合4本になった。


墓参りに行ったが,既にオフクロの名前は法名墓に記載されていた。


2011/4/14 納骨日の会食人数確認


納骨の日の出席者の人数確認。


先日の仕出し屋の弁当は高いしと思い,寿司へ電話。
寺への仕出しはしていないとのこと。
寺への仕出しは面倒な様子。


結局,前と同じ仕出し屋へお願い。
3700円の弁当にて,16人分で59200円。
飲み物もあるので、まあ6.5万円だな。


香典返しの依頼


2011/4/17


香典の再確認。


納骨では埋葬許可書が必要とのことで,急いで葬儀屋へ電話。
骨壷の包みの中にあった。


24日に納骨なので,夕方には祭壇などを取りに来ること。
香典返しの業者をお願いしてあったのに,忘れていたようだ。
急いで呼ぶ必要ありとのこと。


葬儀屋で,お布施,塔婆代の袋も貰う。


帰宅後に,香典返しの一覧表を作成。
氏名,郵便番号,住所,金額の一覧。


香典一覧も葬儀屋で作ってくれると言っていたが、
これも1万だか2万だかかかる。


3名の住所,氏名の確認が必要だった。
また香典返しがいらないという人もいる。


2011/4/18 香典返しの一覧を完成


香典返し屋から電話。


こちらの状況を説明,明日4時半から5時に来てもらうことにした。


2011/4/19 香典返しの依頼


香典返し屋が来た。


24日の納骨後に礼状を発送できるとのこと。
一覧表を渡し,金額毎のお返しを決め,礼状の記載事項を記入して渡した。


香典金額5000円まで,2万円まで,2万円以上での3つに分類。
一覧表をExcelなどで作成し、香典金額でソートしておくと便利。


2011/4/22 香典返しの礼状のサンプルを確認して,最終化。
香典返しは、納骨直後に発送するそうだ。


25日夕方に集金に来ることになった。23万ほど


2011/4/24 49日,納骨


49日の法要と納骨


やること、流れは葬儀などと同じだ。


葬式後の会食時には、仕出し屋へのチップを忘れていたが、
今度は女房が用意したので渡す。
これも居るのかどうか不明。


寺にはその場でお礼。
夕方仕出し屋さんへも支払


2011/4/26 香典返しの追加依頼


夜,香典返し屋へ支払。
追加での依頼が1件で4700円少々の発送をお願い。
これは後日支払


2011/4/28 役所への処理調査


板橋区のホームページで介護保険の問い合わせページがあったので、
5/2にオフィースが空いているかの問い合わせをした。
メールで返事でなく、家に電話があったそうだ。


葬儀料の補助も出るという。
葬儀屋の領収証と振込先口座情報が必要との事。


2011/5/2 役所で保険証などの返却


ナーシングホームで最後の荷物受け取り


特養ナーシングホームでばあちゃんの通帳と印鑑を返却してもらう。
後期高齢者医療の過払いの返却申請書が来ていると貰う。


そのまま現金を下ろしに銀行へ。


介護保険を返却に行く。
過払いの介護保険料の返却申請書も来たので、これをもっていく。


母は4年ほどナーシングホームに入院していたので、
現住所が私と違い、息子であることの証明のために、
戸籍謄本でも持ってこいと言われる。


葬儀料の補助は、
後期高齢者医療からでるとのことで、別の窓口へ。
葬儀料は簡単に終わり。


しかし過払いの申請には、
全相続権者が判るような戸籍謄本と全相続権者の承認印が必要と言われる。
戸籍謄本を取って、全相続権者の印鑑を貰いに行くのは大変。
いくら戻るか判らない、教えてくれといったら、
昼休みで担当者が居なくて判らないという。
仕方がないので、そのまま帰る。


2011/5/4 相続の同意


幸い姉が旅行の土産を持ってくるというので、
ハンコウを持ってくるようにお願い。
これで印鑑を貰いに行く必要がなくなった。


2011/5/6 戸籍謄本を取りに行く


支所へ行き戸籍謄本を依頼。


担当者が、
戸籍から削除された人が戸籍謄本には掲載されていないので、
改製原戸籍というコピーをくれた。


帰りに妹の家で、印鑑を貰った。


このコピーを作って、
介護保険課と後期高齢者医療制度課へ申請書を送付。


この手の申請が未だ来そうだ。
少なくとも、年末の税金の処理時には何らかの申請書の処理が必要だろう。


住民情報が統一されてなく,また各処理がバラバラで,
それぞれの処理(係り)へ同じような届出をしないといけない。


住民のためのシステム化を考えれば,簡単に統一できそう。
一般企業であれば当然のようにお客の便利さ,社内処理を削減しての
事務統合,システム化などが実施されるはず。


役所では事務処理の削減などは考えないのだろうな。
現状の処理形態は税金の無駄遣いとも思われる。


2011/5/9 年金証書が必要


年金手帳でなく年金証書の返却が必要と判明。
これは葬儀屋から貰った、
葬儀で必要なことを記載したパンフレットにも載っていなかった。


これには年金の年金受給権者死亡届も必要と判明。
年金の年金受給権者死亡届は支所にあり,一時金は年金の未受給者のみ。


証書がない場合は証書未添付の申立書が必要とのことで,


返却には,都内であれば,どこの年金事務所でも良さそう。


2011/5/10


じいちゃんが年金証書を探し出していた。


2011/5/12


年金受給権者死亡届も入手。
記載。記入項目は年金証書の記載項目で,役所に提出時に記入できる。


こんなものならば,何も事前に役所へ取りに行く必要はなかった。


2011/5/20 年金証書の返却


勤務先に近い港区年金事務所へ年金証書を返却に行く。


事務所入り口に受付があり,来所理由の書類を書かせられる。


如何にも役所仕事風だが,普通の区役所でもこんなことはしない。


数分待たされて,書類を確認され,受け取りを貰った。
年金証書の返却は郵送でも出来るはず。
かつ年金受給権者死亡届は全く不要と思われる。意味が全くない。


その後


・5月に入ると,焼香を上げに来る人は殆どいなくなり,
香典もないので香典返しの心配も要らない。


・6月中旬に,介護保険とか後期高齢者などの過払いの払戻金が振り込まれた。
結構時間がかかる。


まだ,年末調整時の処理が必要だと思われる。


以上
葬儀は結構大変です。
やっとメモをまとめられた。