本の読みとしての電子書籍への要望

世間では,電子書籍の話題が多いが,
iPadkindleだと電子リーダーという機器ばかりの話をしている。
しかし,本の読み手は,機器が欲しい訳ではなく,
書籍から知識や読書という楽しみを得たいだけだ。


私は本を読むとき,特に仕事とかの関連書籍の場合には,
黄色いマーカーとペンを持って読む。
気になる文章にはマーカーを引き,
おかしいとかコメントを付けるときは欄外にペンで書き込む。
これで同じ本を再読したときに,ポイントが判りやすい。


しかし,デジタルという時代の,いまどき,
いまだにマーカーとペンでコメントというのは変だ。


PDF


デジタル化された書籍とかレポートではPDFが一番身近で,
保管,検索などには便利。
だが,PDFはアノテーション機能が弱い。
自分で読んだ部分のアノテーションもコメントも
PDF自身には書き込めない。
確かに,ソフトもあるようだが,イマイチの様子。


PDFで気になる文章は,コピーしてテキストなどにペーストしている。


しかし,ヒドイPDF作成者になると,コピーを許さない。
結局,ゼロから手で打ち込む必要が出てくる。
非常に,ナンセンスなデジタル化。


Diigo


最近は,ブログやWebサイトの記事などで情報収集するのが当たり前。


数年前からソーシャルブックマークのサービスが出てきて,
気なる記事などをブックマークして,
コメントを残すことが出来るようになった。


ソーシャルブックマーク・サービスの一つとしてDiigoがある。
Diigoは,ブックマークするだけでなく,
気になる文章にアノテーションとしてマーキングでき,
マーキングした部分,または記事全体,特定ポイントに
コメントも書き込める。


これらアノテーションは,Diigoのページで一覧として表示できる。
特定記事のアノテーションをメールなどに添付して送付も可能。
ソーシャルブックマークなので,
一般に公開したり,友人だけに公開したりも可能。


つまり,私の読書方法とぴったりで,
一度読んだ記事に気ままにマーキングしたり,
コメントしたりして,後で読んでまとめたり,
要点だけを読み直したりができる。


電子書籍にとって一番要求したい機能


このDiigoと同じように,
読んだ電子書籍アノテーションを付けさせてくれ,
コメントの書き込みを入れさせてくれ。


願わくば,
これらを自分の読書記録として特定のサイトに置いてくれ。


もっと願わくば,これらを公開,非公開の機能を付けて,
他の人と議論が出来るような状態にして欲しい。


Kindle


Kindle には,特にKindle2には,このような機能があるようだ。
”「My Clippings.txt」という名前のテキストファイルに保存され、
Kindleをパソコンに接続すれば「documents」フォルダから
取り出せる”
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20403128-2,00.htm
との記事があった。


またAmazonのKindle2のHelp
http://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html/ref=amb_link_353277962_4?ie=UTF8&nodeId=200505560&pf_rd_m=ATVPDKIKX0DER&pf_rd_s=center-28&pf_rd_r=0DP1YT92QMDHVFANMKEA&pf_rd_t=201&pf_rd_p=1273872382&pf_rd_i=B002Y27P3M#highlight
には,
これらアノテーションを5-Way controller というボタン(?)を押すことで,
FacebookTwitterでShareできるとなっている。


従って,Kindle2では私の要望を装備されているようだ。


しかし残念ながら,2010/9/7現在では日本語に対応していない。
且つ,Kindle対応の日本語版の電子書籍そのものが出ていない。



日本の電子書籍の記事,議論を読んでいると,
機器とかネットワークインフラなどの話題ばかりで,
読者というユーザでの視点での議論がないようだ。


こんな簡単な,電子書籍への要求が何故出版/書籍業界の人々は
判らないだろうか。
機器自身の機能,値段,美しさ,ネットとの接続性などは本当は二の次の機能でしかない。