ハードボイルド

また素晴らしい推理小説を読んだ 翳りゆく夏 赤井三尋作

◎ 翳りゆく夏 (講談社文庫) 背表紙の江戸川乱歩賞受賞に魅かれて、 何気なくブックオフの108円本で買った。 面白かった。 新聞社で窓際に追いやられて元記者が20年前の誘拐事件を解決する。 この事件を再調査する切っ掛けも面白く設定されているし、 再調査…

傭兵のハードボイルド小説 傭兵代理店 悪魔の旅団

◎ 傭兵代理店 悪魔の旅団(デビルズ・ブリゲード) (祥伝社文庫) また新たなハードボイルド・シリーズをブックオフの108円本で発見。 久々に、新たなハードボイルド作家を探し当てた感じ。 渡辺裕之という作家の傭兵代理店というシリーズで、 11巻あり、新傭…

複雑な登場人物のアメリカ刑事もの ホワイト・ジャズ

◎ ホワイト・ジャズ 題名だけをみて購入。 700ページ近い、分厚い文庫本。 暗黒のLA4部作というシリーズの最後の4作目だそうだ。 1作目から、ブラック・ダリア、ビッグ・ノーウェア〈上〉、〈下〉、LAコンフィデンシャル〈上〉、(下〉というシリーズ。 LAコ…

ハードボイルドさが面白い もくら

◎ もぐら (中公文庫) この作者 矢月秀作さん、その作品を全く知らなかった。 ブックオフの108円本で見つけて読んだ。 ハードボイルドだか推理小説だかと思って、読み始め。 出始めは少々荒い書き方の感じでだったが、 読み進むと面白くなってくる。 主人公が…

魔女の盟約 スピード感、展開の面白さ、意外性などハードボイルドとして申し分なし

◎ 魔女の盟約 前作 魔女の笑窪 の引き続きで読んだ。 前作は終わりがあっけなかったので、次作であるこの本は余り期待していなかった。 前作も中盤から後半になって面白く盛り上がったのに、 最後がなんだと思った終わり方だった。 しかし、この作品は素晴ら…

奇想天外な話も面白い 魔女の笑窪

◎ 魔女の笑窪 (文春文庫) 久々に大沢在昌作品を読んだ。 全く知らなかった本。 地獄島という警察権力も暴力団の力も及ばない売春島から逃れてきた女性が主人公。 島から脱出後、裏社会のコンサルタントという仕事で成功している女性。 初めは、バラバラの連…

ベトナムの町と小船での航海などの描写が凄い 黄金の島

◎ 黄金の島(上) 黄金の島(下) やくざが兄貴分に利用されて、タイに追いやられ、 そこでも狙われたのでベトナムへ逃げる。 ベトナムで貧困にあえぎ、日本へ渡ることを夢見る若者たちと 漁船で日本まで密航する話。 ベトナムの街の様子、人の暮らし、 荒波の中…

ミステリー小説のような構成力 影武者徳川家康

◎ 影武者徳川家康〈上〉 全く知らない本だったし、 著者名は時々見かけていたが、全く知らない作家だった。 「不眠本中の不眠本」とあるブログで紹介されたので読み始めた。 家康が影武者だったという話し自身も聞いたことがなかった。 家康の影武者だった世…

鳴沢了シリーズ最終章 久遠

◎ 久遠〈上〉―刑事・鳴沢了 (中公文庫) ◎ 久遠〈下〉―刑事・鳴沢了 (中公文庫) 鳴沢了シリーズ最後は久遠の上下2巻。 毎巻完結だが、 この最終巻では、昔出てきた話、伏線が沢山出てくる。 この最終巻を読んで判ったが、 鳴沢了シリーズは10巻で1つの話にな…

刑事・鳴沢了シリーズ8作目 被匿

◎ 被匿―刑事・鳴沢了 今後は西八王子署に赴任したばかりの鳴沢了が 赴任直前に起きた国会議員の事故死の謎を解く。 1作目からちょこちょこ出てくる新聞記者とその家族の過去も暴かれていく。 この新聞記者は全ての作品に顔を出して変だなと思っていたが、 著…

刑事・鳴沢了シリーズ7作目 血烙

○ 血烙―刑事・鳴沢了 NYCへ行ってしまった恋人とその息子を追って、 ニューヨーク市警に1年間の研修へ行っている鳴沢了。 恋人の息子、勇樹がギャングに誘拐されて、 アトランタ、マイアミ、キーウィウエストとギャングを追いかけて行き 最後は勇樹を奪回す…

刑事・鳴沢了シリーズ6作目 偽装

◎ 讐雨―刑事・鳴沢了 今度は東多摩署に勤務。 ほぼ解決の連続少女誘拐殺人事件の調査から戻ってくる途中で 爆発事故に巻き込まれ、 この事件が大きく展開し始める。 最後は、事件を解決するだけでなく、 ニューヨークへ行ってしまった恋人の内藤優美、 その…

刑事・鳴沢了シリーズ9作目 偽装

◎ 疑装―刑事・鳴沢了 5作目までを読んでから、この9作目を読んでしまった。 鳴沢了シリーズでは、現実的で前作などで登場した人物の話などが出てくる。 今回のように、途中の作品を飛ばすと、 読んでいない作品での出来事が想像できてしまう。 この作品では…

刑事・鳴沢了シリーズ5作目 帰郷

◎ 帰郷―刑事・鳴沢了 父親の葬儀明けに尋ねてきた15年前の事件の被害者の息子。 時効になったばかりの殺人事件、 亡くなった父親が解決できなかった、ただ1件の事件。 忌引きで新潟にいる間の数日で、 壮絶な事件に発展していく。 恋人ととその息子との今後…

刑事・鳴沢了シリーズ3作目 熱欲

◎ 熱欲 シリーズ3作目。 前作の多摩署での事件で、 青山署に飛ばされ、生活安全課に飛ばされている。 大規模なマルチ商法を調べていくうちに 殺人事件に絡んでいく。 アメリカ留学時代の親友、 NYCで殺人課の刑事になった米国在住日本人二世もからみ、 その…

刑事・鳴沢了シリーズ 破弾2作目

◎ 破弾 新潟県警を退職し東京へ出てきたが、 結局、多摩署で刑事った鳴沢が 犯人を殺害した小野寺冴とコンビで ホームレス襲撃事件から、30年前の殺人事件を解決する。 これも謎解きの面白さ。 多摩、八王子辺りの土地勘があると もっと面白く読めそうだ。

刑事・鳴沢了シリーズ 雪虫 1作目

◎ 雪虫 地元新潟で刑事数年目の鳴沢了が殺人事件を捜査していくうちに 50年前の事件の真相を暴いていく。 結果、自分の祖父を失ってしまう。 推理小説、刑事物、探偵物は 事件を解いていく謎解きの面白さ。 鳴沢了シリーズは昔の事件との関係なども面白いの…

また発見した刑事シリーズ 刑事・鳴沢了 孤狼

◎ 孤狼―刑事・鳴沢了 以前からブックオフで気になっていた、堂場瞬一という著者の本。 数冊あったが、判らないのでとりあえず、適当に1冊。 鳴沢了という刑事シリーズの警察物。 10シリーズ、11冊の中盤の本だった。 警察官としての気概を持った鳴沢了が 警…

久々の西部劇 アリゾナ無宿 / 逢坂 剛

○ アリゾナ無宿 久々に西部劇の本を読んだ。 久々でなく始めてかも知れない。 非常に単純なストーリ−で、 有名な賞金稼ぎに16歳の少女がからみ、 記憶喪失の剣豪の日本人が お尋ね者を探して、アリゾナの田舎町を行き来する。 賞金稼ぎに剣豪と少女という組…

1948年のロサンゼルスの黒人の様子が判る探偵小説

◎ ブルー・ドレスの女 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 先日見た映画 青いドレスの女 が面白く、 原作も良いのではと図書館で借りて読んだ。 あらすじは、映画も本もほぼ同じだが、 終わりが少々違う。 映画よりも本のほうが、状況が細かく、 1948年のロサンゼルス…

40数年ぶりの野獣死すべし

○ 野獣死すべし 先日ブックオフの105円本で発見。 45年ほど前に高校生だか中学生の時に読んで感激した本。 この本では、野獣死すべしと復讐編、渡米編と3つの話を収録。 久々に読むと、 ピストルとか車とか出てくる小道具、文章、話の仕掛けなど 少々違和感…

またまた見つけたハードボイルド

狼の血 /鳴海 章 1週間ほど休むので,その間に読める本を探して見つけた。 720ページもの長編。 サエない,ウダツの上がらない若者が, 13年ぶりに会った中学の同級生のヤクザから 拳銃を入手したことから 嫌な人を殺していく。 普段はウダツの上がらないサ…

引き込まれるハードボイルド オンリィ・イエスタデイ / 志水辰夫

◎ オンリィ・イエスタデイ / 志水辰夫 久々に志水辰夫の本を読んだ。 1987年に発表された作品だそうだが, 22年前の話は全く色あせていない。 人に合わず,電話にも出ないで,2ヶ月間こもって書き上げたということで, 内容的に良く練られていて,どんでん返…

今度は面白かった 深夜ふたたび

◎ 深夜ふたたび / 志水 辰夫 1989年の作品。 元自衛隊の幹部(?)がロシアに軍事機密を漏らす事件から 本人の逃走を助ける話が中心。 昔のベトナム戦争時代に米軍兵の逃亡幇助した車の運転手が 再度使われる。 前の2冊よりは面白かった。 余り時代を感じさ…

昔のスパイがよみがえる 狼でもなく / 志水 辰夫

○ 狼でもなく / 志水 辰夫 ベトナム戦争時代の仲間から事件が展開していく。 先週までに読んだ、飢えて狼、裂けて海峡は非常に面白かったので、 その期待で読んだら、少々ガッカリ。 伏線とか話の仕掛けが少ないのか???? ベトナムと逃れるときに隠してき…

やっぱり海と船に関係 裂けて海峡

◎ 裂けて海峡 / 志水 辰夫 先週読んだ志水辰夫の飢えて狼が非常に面白く、 直ぐに面白そうな作品をリストアップして、 Bookoffonline.co.jpで7冊購入。 先週の作品は、三浦半島のしがないボート屋のオヤジの話だったが、 今回は船会社の社長が、自分が服役中…

また面白い作家を発見 飢えて狼 / 志水 辰夫

◎ 飢えて狼 / 志水 辰夫 志水辰夫さんの処女作。 大藪春彦の処女作”野獣死すべし”も面白かった。 伏線、どんでん返しなど良く煉られて面白い作品だった。 発表前のアマチュア時代に何回も書き直したと書かれていた。 志水さんの、この作品も同じなのだろうか…

新宿鮫の原点? 氷の森

◎ 氷の森 (講談社文庫) 大沢 在昌 知らない本は背表紙の宣伝文句を読んで買う。 この本には”新宿鮫の原点となる鮮やかなハードボイルド・ミステリー”とあった。 大沢在昌の淡々とした語り口の中にあるハードボイルドさは同じ。 設定も中々面白いし、仕込みも…

ミステリー系ベストセラーは面白い  行きずりの街

◎ 行きずりの街 (新潮文庫) 志水 辰夫 先日ブックオフで105円で購入。 著者の志水 辰夫の名前は良く見かけていたが、初めて読んだ。 引きずり込まれるように読んでしまった。 設定も面白いし、ハードボイルドという話の進め方ではないが、 謎解き、ハードボ…

退職警察官をターゲットにした殺人鬼 よみがえる百舌

よみがえる百舌 (集英社文庫) 昔起きた警察、政治家を巻き込んだ連続殺人事件(らいしい)の 犯人を真似た殺人鬼が甦り、同じ陰謀をくい止める。 面白い作品だった。 また逢坂 剛さんの本を読んでしまった。 数週間前に読んだ禿鷹の夜より、こちらの方が面白…