女性の目からの恋愛物 夜の出帆

◎ 夜の出帆


48歳の書けなくなった作家と同棲している29歳の女性が
勤務先の社長とも関係を持つようになっていく話。


渡辺淳一の作品としては,性的描写はほとんどなく,
二人の男性の間を揺れ動く女性心理の描写。


珍しい書き方だなと思ったら,
1976年の作品なので,割と昔の作品のようだ。


失楽園(1997年),愛の流刑地(2006年)などの
濃厚な性的描写から究極の愛の描写などの書き方とは全く違う。


しかし,割と静かな心理描写が
渡辺淳一という作家の別の良さかと思う。