2010-05-11 女性の目からの恋愛物 夜の出帆 書籍 渡辺淳一 ◎ 夜の出帆 48歳の書けなくなった作家と同棲している29歳の女性が 勤務先の社長とも関係を持つようになっていく話。 渡辺淳一の作品としては,性的描写はほとんどなく, 二人の男性の間を揺れ動く女性心理の描写。 珍しい書き方だなと思ったら, 1976年の作品なので,割と昔の作品のようだ。 失楽園(1997年),愛の流刑地(2006年)などの 濃厚な性的描写から究極の愛の描写などの書き方とは全く違う。 しかし,割と静かな心理描写が 渡辺淳一という作家の別の良さかと思う。